Wライセンスのコラム

行政書士と弁護士! 弁護士との業務の違いを徹底解説!

弁護士とのダブルライセンス

行政書士とは?

行政書士とは法律を扱う専門家で、国家資格の中でも人気です。

「国民に最も身近な街の法律家」として、1951年(昭和26年)に成立した行政書士法で誕生しました。

他の資格で独占されていない業務も仕事として取り扱うことができますので、行政書士の業務範囲は非常に幅広くなっています。

行政書士の資格を取得するに当たり、一体どんなメリットがあるのか簡単に見ていきましょう。

  • 資格には更新の制度がなく、定年を気にせず働くことができる(行政書士会への登録は必要)
  • 仕事の現場で生かせる法律知識を持てば就職や転職で有利に働く
  • 行政書士会が開催する研修会で人脈作りがしやすくなる

国民と行政のパイプ役を担う法律の専門家として、現在、行政書士の取り扱える書類の範囲は10,000種類を超えています。さらに現在も増加傾向にあるので、行政書士の活躍の場所は年々広がっていると言えるでしょう。

特定行政書士

平成26年の行政書士法の改正により、行政書士の職域として新たに行政庁の許認可等に関する不服申立て手続きが追加されました。

不服申立て手続きができる行政書士を特定行政書士と呼びます。

特定行政書士になるには、各都道府県で実施されている特定行政書士法定研修に参加する必要あり!

法定研修のカリキュラムを修了して考査を受けて合格すると、晴れて特定行政書士になって次の不服申立て手続きができるようになります。

特定行政書士の不服申立て手続き
審査請求 官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求
再調査の請求 法律で定められた場合で処分庁に対しての処分の見直し
再審査請求 審査請求で棄却裁決された場合に再審査を請求する

これらの不服申立て手続きは、通常の行政書士では行うことができません。しかし、一定の手続きを踏むことで、更に業務の幅を広げることができる点が魅力です。

特定行政書士については、下記の記事も参考にしてみてください。

特定行政書士
特定行政書士になるには? 意味はない? 研修の費用なども解説します!通常の行政書士と特定行政書士の違い こんにちは、トモです。 今回は、特定行政書士に関する記事です。 ...

 

行政書士のADR業務とは?

行政書士の業務として、ADR(Alternative Dispute Resolution)と呼ばれるものもあります。

ADR業務とは、日本語で裁判外紛争解決手続きのことを指します。

裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律第1条では、下記のように記載されていました。

「訴訟手続きによらず民事の紛争を解決しようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続」

参考:裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律 https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=416AC0000000151_20200401_429AC0000000045

「裁判をするほどじゃないけど、当事者だけではトラブル解決ができない…」といった時に、ADR業務ができる行政書士の出番です。

行政書士のADR業務については、下記の記事も参考にしてみてください。

行政書士のADR
ADR業務の実施には、行政書士会のADR(裁判外紛争解決手続)センターでの研修受講が必要!行政書士の資格で行える業務のADR(裁判外紛争解決手続)とは? 行政書士の資格を持つ方は、官公署に提出する書類...

 

弁護士とは?

弁護士とは行政書士と同じ士業の一つで、高度な法律の知識を武器に人々の権利や利益を守る人を指します。

以下では、弁護士の職務について簡単にまとめてみました。

  • 法律相談・裁判・交渉・契約書作成といった法律事務全般が弁護士の業務範囲
  • 弁護士でない人が法律事務を扱うのは原則的に禁止されている
  • 弁護士でない人が法律事務を扱うと刑罰に処せられる可能性がある

実際に取り扱う業務は、「犯罪を含めた刑事事件」「不動産売買関係のトラブル」「交通事故の慰謝料問題」など多岐に渡ります。

法律系の国家資格では最高峰に位置する、知名度抜群の資格といえるでしょう。

行政書士の業務範囲

行政書士の業務範囲は、一般行政書士と特定行政書士で違いがあります。

弁護士とは違い、行政書士になると何ができるのか見ていきましょう。

一般の行政書士の業務範囲

一般の行政書士の業務範囲は、大きくわけると次の3つです。

一般の行政書士の業務範囲
書類作成業務 官公署に提出する書類や権利義務に関する書類の作成
許認可申請の代理 作成した書類を依頼主に代理して官公署に提出する
相談業務 相続手続きに関する個人的な内容から企業のコンサルティング業務まで

中でも、官公署に提出する書類や権利義務に関する書類の作成代理は、行政書士にしかできない独占業務になっています。

実際に取り扱う書類は、「各種許認可申請」「法人設立」「外国人雇用」「外国人残留資格申請」「遺産分割協議書」など様々です。

特定行政書士の業務範囲

特定行政書士は一般の行政書士の業務に加えて、上記の項目でも解説したように不服申し立て手続きができます。

以下では、特定行政書士に付与された権限で行える具体的な業務内容をまとめてみました。

  • 難民不認定(出入国管理及び難民認定法)
  • 建設業許可申請の不許可処分(建設業法)
  • 産業廃棄物処理施設の設置許可申請の不許可

今の知識をブラッシュアップする目的で、特定行政書士の資格を持っておいて損はありません。

行政書士と弁護士!それぞれが相談業務でできること

行政書士と弁護士は同じ法律サービスを職務とする専門家ですが、実際に認められている業務範囲や権限には違いがあります。

まず最初に、行政書士と弁護士それぞれが相談業務でできることについて見ていきましょう。

  • 行政書士の相談業務:どのような文章で書類を作成すれば良いのかといった業務に留まる
  • 弁護士の相談業務:依頼者の悩みを聞き、法律的にどう解決するのが得策なのか細かくアドバイスできる

交渉や裁判の実務的な知識が豊富な弁護士は、相談に来た依頼者にとって一番良いと思われる方法を提案できます。

一方で行政書士の業務範囲に法律相談は含まれず、あくまでも書類作成に関する相談だけです。

例えば、行政書士は遺言書の作成の形式的な相談は受けられますが、「遺産分割や相続相手は○○○が良い」などの具体的な対応はできません(実施すると弁護士法の違反となります)。

個別の具体的な相談をしたい方は、行政書士ではなく弁護士に依頼することが必要です。

行政書士と弁護士!それぞれが契約書作成業務でできること

一般的な契約書作成の流れは次の4つのステップになります。

  1. 契約書の原案を作成する
  2. 契約の相手方に原案を提示する
  3. 契約の内容について交渉する
  4. 正式な契約書を作成する

弁護士の契約書作成業務は①~④まで全て行えますが、行政書士の範囲は①と④だけです。

行政書士ができるのは当事者同士の合意を証明する契約書の原案および本案の作成だけですので、契約書の内容の是非まで依頼者に対してアドバイスすることができません。

つまり、依頼者側の立場に立ってみると、行政書士に依頼する際はあらかじめどういう内容の契約書にしたいのか確定させておく必要があります。

弁護士の場合は契約書の作成はもちろんのこと、契約内容に関するアドバイスや相手方への提示もOK!

契約書は裁判沙汰になった際に重要な証拠ですので、作成には慎重を期する必要があります。弁護士に依頼すればトラブルを想定した上で法的に瑕疵のない契約書を作成できるのです。

行政書士と弁護士!それぞれが示談交渉業務でできること

示談交渉とは、被害者と加害者の当事者同士で話し合いを行って示談金額を決める交渉を指します。

行政書士と弁護士は示談交渉業務ができますが、具体的な業務範囲は異なりますので要チェック。

  • 行政書士の示談交渉業務:本人の意思に沿った和解書や合意書の作成業務までで、意見書の作成や裁判手続きに関する相談は対応できない
  • 弁護士の示談交渉業務:「相手方に自分の主張を書いた書類を送る」「相手方と交渉する」「まとまらなかった際の裁判手続き」など全てを請け負える

交通事故などの示談交渉で行政書士ができるのは、法律行為に該当しない和解書や合意書の作成業務になります。原則として、法律上の争いのある行為に行政書士が関わることはできません。訴訟の代理人なども不可です。

相手方との交渉や示談交渉を任せたい時は、弁護士に依頼しなければなりません。

行政書士と弁護士!それぞれが債務整理などの申立て業務でできること

債務整理とは法的な手続きにより、借金を減額したり支払いに猶予を持たせたりできます。

貸金業者に支払いすぎたお金を返してもらう過払い金請求、借金の減額や金利の引き直しを交渉する任意整理、裁判所に認めてもらって借金の支払い義務が免除される自己破産など債務整理の種類は様々です。

債務整理を検討するに当たり、「行政書士に相談しよう」と考えている方はいませんか?

しかし、結論から言うと行政書士は債務整理などの申立て業務は不可です。

債務整理ができるのは、法的サービスを提供する弁護士と簡易裁判所での代理権や示談交渉権を持つ認定司法書士だけになっています。

参考:債務整理分野に関する弁護士と他士業との違い https://www.kanaben.or.jp/profile/lawyer/lawyer07/index.html

つまり、「借金が膨れ上がってどうしようもない」「毎月の支払い金額が多くて生活が苦しい」と悩んでいる方は、行政書士ではなく弁護士に債務整理を依頼することになります。

まとめ

行政書士と弁護士の業務範囲、それぞれができることの違いについておわかり頂けましたか?

弁護士と比較してみると、行政書士は限定された範囲内でしか法律事務を取り扱えません。

しかし、特定行政書士やADRサービスを中心に行政書士の職務は増え続けていますので、将来に活かすために資格取得を目指してみて欲しいと思います。

よろしければ、以下のコラムも参考にしてください。