Wライセンスのコラム

行政書士と宅建のダブルライセンスのメリットは?難易度・勉強時間・合格率など徹底比較!

行政書士と宅建

行政書士と宅建の仕事内容の違いを比べてみた!

行政書士と宅建は、どちらも難解な法律知識が求められる国家資格です。

それぞれの業務を行うに当たり、資格保有者にしかできない独占業務が定められています。

まず最初に、行政書士と宅建の仕事内容の違いについて見ていきましょう。

  • 行政書士は街の法律家で、クライアントからの依頼を受けて許認可等の書類の作成、手続きに関する相談を行う
  • 宅建士(宅地建物取引士)は不動産取引のエキスパートで、土地やマンションの売買・賃貸の仲介、重要事項の説明や契約書の作成などを行う

行政書士の許認可等の書類の作成、宅建士の不動産に関する重要事項説明等は独占業務です。

両方とも需要が高いため、社会になくてはならない資格だと言えますね。

行政書士と宅建!それぞれの給料・待遇は?

これから勉強をして資格を取得するに当たり、給料や待遇について気になる方は多いのではないでしょうか。

年齢や働き方で変わりますので一概には説明できないものの、行政書士と宅建の給料には次の違いあり!

給料 行政書士 宅建
平均年収 400万円~500万円 320万円~540万円

平均年収で比較してみると、行政書士と宅建士には大きな違いがありません。

しかし、行政書士は稼いでいる人とそうでない人の差が激しい資格です。

大半の行政書士は年収が500万円以下で、一部の独立した高所得者が平均年収を押し上げている形になります。

また、宅建士は基本給だけではなく、毎月の成績に応じた成果報酬(インセンティブ)が支払われますので、スキルの高い人ほど給料が増える仕組みです。

行政書士の年収については、下記の記事も参考にしてみてください。

行政書士の年収や給料
行政書士の年収の現実は?一年目の年収や”雇われ”の金額を徹底調査!こんにちは、トモです。 今回は、行政書士の年収に関する記事です。 行政書士試験の受験生にとって、とても気になる情報ですよね。...

 

行政書士と宅建!それぞれの資格をおすすめできる人は?

「行政書士と宅建のどちらの資格を取得すれば良いの?」と疑問を抱えている方はいませんか?

個人の目的や将来像で取得すべき資格は変わりますので、行政書士と宅建のそれぞれの資格をおすすめできる人をまとめてみました。

<行政書士がおすすめの人>

  • 法律知識を駆使して契約書や遺言状などの文書作成など様々な問題に対処したい
  • 事務所で勤務ではなく、将来的に独立開業したい
  • 顧客の意向を正確に汲み取れるコミュニケーション能力の高い人

<宅建士がおすすめの人>

  • 不動産業界で働きたいと考えている(就職や転職で有利になる)
  • 会社勤めを目指している(不動産会社(宅建業者)の5人に1人は宅建資格を所持している必要あり)
  • 社交性が高くてコミュニケーション能力に優れている

独立開業を目指すなら行政書士、不動産会社への就職や転職を目指すなら宅建士が向いていますよ。

両方ともお客様やクライアントへの応対が必要ですので、コミュニケーション能力の高さは欠かせません。

行政書士と宅建のダブルライセンスのメリット

行政書士と宅建士は相性の良い資格で、ダブルライセンスを目指す方が増えました。

ダブルライセンスとは複数の資格を持つことで、業務の幅が広がったり自分の武器が増えたりします。

行政書士と宅建士のダブルライセンスにどんなメリットがあるのか見ていきましょう。

  • 行政書士の許認可申請では、不動産に関する知識を持っていると場所的要件の調査(用途地域の確認や建築基準法)で役立つ
  • 相続財産調査や相続財産の名義変更手続きなどの行政書士の相続業務では、不動産取引に関する知識が役立つ
  • 行政書士も宅建も試験範囲として民法があり、どちらかの試験で先に勉強すれば勉強範囲を大幅に削減できる

どちらも難易度の高い国家資格ですので、ダブルライセンスになるのは決して簡単ではありません。

しかし、行政書士と宅建士の資格を持っていると、両方の知識を駆使して顧客をサポートできますよ。

不動産売買から必要書類の提出までを一貫して行えるワンストップサービスを提供すれば、顧客の満足度もアップするわけです。

また、行政書士と司法書士のダブルライセンスを目指すのも選択肢の一つ!

宅建士と比べて更にハードルは上がりますが、行政書士と司法書士のダブルライセンス定款の作成と併せて商業登記も引き受けられるようになります。

行政書士のダブルライセンスについては、下記の記事も参考にしてみてください。

行政書士のダブルライセンスについて
行政書士のダブルライセンスおすすめは?相性の良い資格は?司法書士・社労士・宅建は?!行政書士におすすめのダブルライセンスはこれだ!どんなメリットがあるの? 行政書士の資格を持っていると、様々な業務と携わることができます...

 

行政書士と宅建!試験内容の違いを比べてみた!

行政書士と宅建では、下記のように試験内容や概要に違いがあります。

資格試験 行政書士試験 宅建試験
試験方式 五肢択一式・多肢選択式・記述式の合計60問 四肢択一の合計50問
試験内容 民法や行政法、政治経済社会や文書理解など 民法や借地借家法などの権利関係、宅建業法など
合格点 300点満点中180点以上が合格点の絶対評価 毎年35問前後が合格点の相対評価

行政書士試験はあらかじめ決められた評価基準に基づいて評価する絶対評価なのに対して、宅建試験はとある集団内のどの位置にいるかで評価する相対評価なのが特徴です。

行政書士と宅建の受験資格は?

行政書士と宅建は、どちらも受験資格がありません。

「年齢」「性別」「学歴」「国籍」に関係なく、誰でも行政書士や宅建の試験を受験できます。

「〇年以上の実務経験が必要」といった決まりもありませんので、全くの初学者からでも安心して挑戦できる資格ですね。

どんな人にも平等にチャンスが与えられますので、実力さえあれば行政書士や宅建の試験に合格できます。

行政書士と宅建!試験対策のポイント

行政書士と宅建は、試験科目で重複する部分があります。

しかし、試験対策のポイントには大きな違いがありますので、それぞれ押さえておきたい点をチェックしておきましょう。

<行政書士試験対策のポイント>

  • 資格予備校が作成・出版している行政書士試験対策に特化したテキストと問題集を購入する
  • 学習の早い段階から過去問を読んで解き、試験の頻出箇所を知ってメリハリのある学習をする
  • 科目別の配点の大きい行政法と民法を重点的に学習する(この2科目を合格者平均まで引き上げる)
  • 一般知識等の問題は難しいため、あまりのめり込んで対策しないようにする(法令科目を重視する)

<宅建試験対策のポイント>

  • 宅建試験の4割を占める最重要科目の「宅地建物取引業法」を重点的に勉強する
  • 知識の理解や暗記(Input)に加えて、問題演習(Output)を意識的に行う
  • 過去問は最低5年分、できれば7年分を解いて頻出問題を把握する

行政書士試験も宅建試験も、過去問が大事なのは一緒です。

過去問を繰り返し解き、試験の全体像や傾向を掴むようにしてください。

行政書士と宅建の試験の難易度を徹底比較!

行政書士と宅建の資格を目指すに当たり、どちらの方が難易度が高いのか気になるところですよね。

結論から言うと、宅建試験よりも行政書士試験の方が難易度が高くなっています。

以下では、行政書士試験の難易度が高い理由をいくつか挙げてみました。

  • 試験の合格率は宅建が15%前後なのに対して、行政書士は10%前後と低い
  • 勉強時間の目安は宅建が300時間~400時間なのに対して、行政書士は500時間~800時間と長い

両方の試験の合格率や勉強時間の目安に関しては、下記の項目をご覧になってください。

行政書士と宅建!勉強時間を徹底比較!

行政書士と宅建の試験に合格するまでの勉強時間には次の違いがあります。

行政書士試験と宅建試験の勉強時間の目安!
行政書士試験 500時間~800時間が目安
宅建試験 300時間~400時間が目安

行政書士の方が試験で幅広い知識が要求されますし、記述式の深い内容の問題も出題されますので、宅建試験よりも必然的に勉強時間が長くなります。

もちろん、宅建試験も毎年20万人以上が受験して3万人程度しか合格しないため、毎日しっかりと勉強して準備しないといけない点では一緒です。

行政書士と宅建!合格率を比較!

ここでは、行政書士試験と宅建試験を合格者数や合格率で徹底比較してみました。

行政書士試験 受験者数 合格者数 合格率
2015年度 44,366名 5,820名 13.1%
2016年度 41,053名 4,084名 9.9%
2017年度 40,449名 6,360名 15.7%
2018年度 39,105名 4,968名 12.7%
2019年度 39,821名 4,571名 11.5%
2020年度 41,681名 4,470名 10.7%
宅建試験 受験者数 合格者数 合格率
2015年度 194,926名 30,028名 15.4%
2016年度 198,463名 30,589名 15.4%
2017年度 209,354名 32,644名 15.6%
2018年度 213,993名 33,360名 15.6%
2019年度 220,797名 37,481名 17.0%
2020年度(10月実施分) 168,989名 29,728名 17.6%

宅建試験よりも行政書士試験の合格率の幅が大きいのは、あらかじめ決められた評価基準に基づいて評価する絶対評価なのが理由です。

行政書士と宅建のダブル受験は可能?

行政書士試験と宅建試験のダブル受験は可能です。

同じ年度にまとめて受験して合格すれば、すぐに2つの資格を活用して業務に携わることができます。

しかし、行政書士と宅建のダブル受験が必ずしも効率的だと言い切ることはできません。

2つの試験で重なり合うのは民法だけで、他の科目については試験勉強で得た知識をお互いに活かすのは難しいのが現状です。

行政書士試験と宅建試験の勉強時間をトータルすると、800時間~1,200時間もかかります。

そのため、まずは難易度の低い宅建試験に合格し、その後に行政書士試験の勉強を始めて合格を目指すようにするのが、おすすめです。

行政書士と宅建!転職しやすいのはどっち?

行政書士と宅建を転職のしやすさで比較してみると、宅建に軍配が上がります。

行政書士の資格は、法務事務所や弁護士事務所、一般企業の法務部への転職で有利です。

しかし、行政書士の資格を取得してもインハウス(企業内)の行政書士は認められていません。

行政書士として企業に雇われて業務を行うことはできないため、不動産会社への就職や転職で重宝される宅建士の方がおすすめです。

宅建の資格さえ持っていればOKというわけではありませんが、しっかりと勉強して国家資格を取得したと自己PRできますよ。

行政書士の転職については、下記の記事も参考にしてみてください。

行政書士の転職・求人
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行政書士と宅建!副業しやすいのはどっち?

行政書士と宅建を副業のしやすさで比較してみると、行政書士に軍配が上がります。

宅建の資格を活かし、フリーランスの不動産屋を開業するのは決して不可能ではありません。

不動産業界には「1人社長」が多く存在しているものの、行政書士の方が独立開業向けです。

行政書士の資格を持っていれば、「相談・調査業務」「助成金の受給申請」「契約書の作成やチェック」などの副業ができます。

行政書士の副業については、下記の記事も参考にしてみてください。

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まとめ

行政書士と宅建が一体どのような資格なのかおわかり頂けましたか?

どちらも国家資格ですが、「仕事内容」「難易度」「勉強時間」「合格率」「試験内容」には違いがあります。

行政書士と宅建のダブルライセンスで仕事に活かすこともできますので、自分に合う方法で受験勉強を始めてみてください。

おすすめの宅建講座はスタディングorフォーサイトorアガルート

宅建は人気資格のため、通信講座だけでも20種類以上あります。正直、宅建試験業界以外の方にとって、その中から自分に合った講座を選ぶのは大変です。

そこで、宅建の資格も持つ管理人が、おすすめ宅建講座を3つに絞ってお伝えします。

いずれも独特の差別化ポイントがあって面白いですよね。ちなみに合格実績(合格率等)が一番優れているのはフォーサイトですが、スタディングとアガルートもフォーサイトに見劣りしないぐらい高い合格実績を誇ります。

とりあえず、この3社から選べば間違いありません。

【補足】行政書士試験の概要・試験制度について

ここからは、行政書士試験の概要や試験制度についての情報を記載します。

行政書士試験の受験日や受験料

受験日や時間帯、受験料は以下のように定められています。

試験日:毎年11月の第2日曜日(毎年1回)
時間帯:午後1時~午後4時まで
受験料:7,000円(地震や台風で試験を実施しなかった場合を除き返還しない)

1年間に1回しか実施されていない試験ですので、合格するには前もってしっかりと準備するのが大事です。

行政書士試験の内容/合格基準

試験の内容や科目は、大きく次の2つにわけることができます。

  • 行政書士の業務に関し必要な法令等(出題数46題
  • 行政書士の業務に関連する一般知識等(出題数14題

法令等は択一式及び記述式で配点は244点、一般知識等は択一式で配点は56点です。

行政書士試験の合格基準は、「法令等科目の得点が満点の50%以上」「一般知識等科目の得点が満点の40%以上」「試験全体の得点が満点の60%以上」で、全てを満たした時に合格できます。

行政書士試験の受験手続きの流れ

以下では、受験手続きの方法や流れについてまとめてみました。

  1. 試験案内の掲載・配布(7月の2週辺りからホームページに記載)
  2. 受験申込みの受付(受験願書と顔写真画像を登録)
  3. 受験票の送付(毎年10月中旬~下旬辺り)
  4. 試験の実施(毎年11月の第2日曜日)
  5. 試験結果発表・合否通知書の送付(受験者全員に合否通知書を送付)
  6. 合格証の送付(毎年2月中旬~下旬辺り)

受験手続きはインターネットではなく郵送も受け付けていますので、詳細は一般財団法人行政書士試験研究センターのWebサイトをご覧になってください。

参考:https://gyosei-shiken.or.jp/doc/abstract/flow.html

受験願書・試験案内の配布と請求方法

受験願書や試験案内の請求方法は、次の2つから選ぶ形になります。

  • 窓口で受け取る
  • センターに郵便で請求して郵送してもらう

配布されている期間はあらかじめ決まっていますので、事前に確認しておきましょう。

行政書士試験の受験資格

行政書士試験の受験資格は、「○○○が条件」とは特に設定されていません。

「年齢」「学歴」「性別」「国籍」に関係なく、誰でも受験できる国家資格です。

しかし、行政書士試験に合格しても、都道府県の行政書士会に入会して登録しないと行政書士を名乗って業務をすることができません。

この点に関しては、行政書士法第2条の2の「欠格事由」で、下記に該当する者は行政書士になる資格を有さないと決められています。

  • 未成年者
  • 成年被後見人又は被保佐人
  • 破産者で復権を得ないもの
  • 禁錮以上の刑に処せられた者で3年が経過しない
  • 公務員で懲戒免職の処分を受けて3年が経過しない
  • 登録の取消しの処分を受けて3年が経過しない
  • 業務の禁止の処分を受けて3年が経過しない
  • 懲戒処分により弁護士会から除名された

行政書士として働くに当たり、試験に合格すれば良いという単純な話ではありません。

行政書士試験の勉強時間を他の資格と比較

個人の学習方法によって変わりますが、行政書士試験に合格するには500~800時間程度の勉強時間が必要です。

他の資格との比較は以下のとおり。

  • 弁護士(予備試験):6,000時間
  • 公認会計士:3,000時間
  • 司法書士:3,000時間
  • 税理士:2,500時間
  • 不動産鑑定士:2,000時間
  • 中小企業診断士:1,000~1,200時間
  • 社会保険労務士:1,000時間
  • 行政書士:500~800時間
  • 宅地建物取引主任者:400時間
  • 日商簿記2級:250時間

同じ法律関係の司法書士や税理士と比べてみると、行政書士試験は短い期間で合格できます。

行政書士試験の合格に必要な勉強時間について、下記に詳細をまとめてあります。よろしければ、そちらも参考にしてください。

行政書士試験の勉強時間
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行政書士試験の難易度(偏差値のランキングから見た難易度)

ここでは、日本の有名な資格の偏差値のランキングデータをご紹介します。

このランキングは、某掲示板サイトに存在する「資格難易度・偏差値ランキング」や口コミサイトからまとめた偏差値をベースにしており、正式な根拠はありません。

そもそも、行政書士だけではなく、他の資格にも偏差値は存在しません。

しかし、試験の難易度を測るに当たり、相対的な難易度を知るためには少なからず参考になる面もありますので、参考にしてみてください。

  • 偏差値70:「裁判官」
  • 偏差値68:「検察官」
  • 偏差値67:「弁護士(予備試験)」
  • 偏差値66:「弁護士(ロー卒)」
  • 偏差値65:「公認会計士(全科目一括合格)」「医師(国公立卒)」
  • 偏差値64:「弁理士(免除なし)」「公認会計士アクチュアリー」「司法書士」「税理士(5科目受験免除なし)」
  • 偏差値62:「弁理士(選択免除)」「1級建築士」「不動産鑑定士」
  • 偏差値61:「税理士(3科目受験2科目免除)」「通訳案内士」
  • 偏差値60:「社会保険労務士(社労士)」「土地家屋調査士」「中小企業診断士」「ITストラテジスト」
  • 偏差値59:「システム監査技術者」「獣医師」「行政書士」「国税専門官」
  • 偏差値56:「測量士(受験取得)」「マンション管理士」「1級FP技能士」
  • 偏差値55:「電験3種」「英検準1級」「電気通信主任技術者」「エネルギー管理士」
  • 偏差値52:「管理栄養士」「社会福祉士」「宅建」「管理業務主任者」

繰り返しになりますが、実際には資格試験に正式な偏差値はなく、上記はあくまでも目安です。

裁判官・検察官・弁護士などになるための司法試験は難易度が非常に高く、極めて難しいといえるでしょう。

公認会計士・弁理士・税理士・司法書士は偏差値65~64と、最難関の司法試験に次ぐ難しさ。

続いて、「仕事と両立できる資格として最難関」の社労士・中小企業診断士は偏差値60となっています。行政書士は偏差値59ですから、ほぼ同等と考えられます。

以上より、行政書士の難易度は、難関国家資格(士業)の中では、標準的といえるでしょう。

よろしければ、以下のコラムも参考にしてください。

この記事の監修者
氏名 西俊明
保有資格 中小企業診断士 , 宅地建物取引士 , 2級FP技能士
所属 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション