行政書士について

特定行政書士になるメリットやできること!試験の難易度や合格率まとめ!

特定行政書士について

通常の行政書士と特定行政書士の違い

こんにちは、トモです。

今回は、特定行政書士に関する記事です。

行政書士のなかには、特定行政書士と呼ばれる資格を持つ方もいます。

特定と入っていますので、「普通の行政書士よりも業務範囲が限られてしまうのでは…」と思っている方もいるかも知れません。

しかし、特定行政書士は一般的な行政書士の仕事に加えて、行政不服申し立てに係る手続きの代理業務ができます。

このように、行政不服申立てに係る手続きの代理ができるのかどうかが行政書士と特定行政書士の違いとなります。

行政書士の資格を取得した後に研修を受講して試験に合格する必要がありますので、特定行政書士になれば今までよりも業務の幅が広がります。

特定行政書士になるメリットやできることをまとめてみた

このページでは、特定行政書士になるメリットやできることについて詳しく解説していきます。

これから行政書士の資格を取得しようと考えている方は、一度目を通しておきましょう。

不服申し立ての手続きができる

特定行政書士になる一番のメリットは、不服申し立ての手続きができるところです。

服申し立てとは、行政庁の処分や公権力の行使に当たる行為に関して、不服を持つ者が行政機関に申し立てて違法や不当を審査させて是正や排除を請求する手続きを指します。

今までは弁護士だけに認められた仕事でしたが、平成26年に法律が改正されて日本行政書士会連合会が実施する研修を修了した特定行政書士でもできるようになりました。

特定行政書士の業務に関しては、下記のように行政書士法第一条の三で記載されています。

  • 行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること

不服申し立て手続きで特定行政書士ができることは、主に次の3つです。

  • 審査請求:行政庁の処分に不服がある者は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3ヵ月以内に最上級行政庁に不服を求められる
  • 再調査の請求:法律で定められた場合に限り、上級行政庁ではなく処分庁に対して処分の見直しができる
  • 再審査請求:審査請求で棄却裁決された場合に、裁決があったことを知った日の翌日から1ヵ月以内に再審査請求ができる

平成28年に行政不服審査法が改正されて施行されてから、特定行政書士ができる不服申し立て手続きの内容も変わりました。

通常の行政書士の業務に加えて、特定行政書士は弁護士領域まで踏み込んだ業務ができます。

具体的には紛争性のある官公庁への不服申し立てなどの代理や書類作成ができますので、特定行政書士は豊富な知識を活かして幅広く活躍できるわけです。

仕事が増えれば年収がアップする

特定行政書士になると、当然のように通常の行政書士と比べて仕事量が増えます。

より多くの案件を顧客やクライアントから獲得できれば、年収がアップする確率も上がるのです。

以下では、2014年度に実施された行政不服審査の受付状況についてまとめてみました。

国への行政不服審査 件数 割合
社会保険 63,683件 72.0%
国税 5,869件 6.6%
新幹線整備 5,058件 5.7%
出入国管理など 2,678件 3.0%
労災 2,442件 2.8%
生活保護 2,191件 2.5%
その他 6,584件 7.4%

参考:https://www.foresight.jp/gyosei/column/specific-administrative-scrivener/

このデータを見てみると、1年間で9万件近い不服申立てがされています。

これらの全ての依頼を特定行政書士が請け負えるわけではありません。

特定行政書士の業務で関わりが深いのは出入国管理ですが、仕事の実績を作れば新しい分野を開拓できますよ。

不服申し立ての業務の報酬相場は約30万円で、他の業務と比べてみると高いのが特徴です。

不服申し立ての案件をたくさん獲得できれば、今まで以上に利益を出すことができるでしょう。

特定行政書士を目指し、書類作成・申請や相談・コンサルティングなどに加えて、不服申し立て手続きをこなしていくのは選択肢の一つです。

特定行政書士になるにはどうすれば良い?

特定行政書士になるには、日本行政書士会連合会が実施する研修を修了する必要があります。

全ての講義を受講し、その後に行われる考査試験に合格しないといけません。

つまり、行政書士の試験に合格して資格を取得するだけではなく、更に不服申し立て手続きに関する知識を身につけて初めて特定行政書士になれます。

以下では、特定行政書士の法定研修の申し込みや受講の手続きの流れについてまとめてみました。

  1. 4月に特定行政書士特設サイトに各単位会の講義会場や日程、考査会場が掲載される
  2. 5月に開催情報を参照し、クール設定を確認して受講クールを決める
  3. 別紙の受講申込書に所定事項を記入し、5月の締切日までにFAXで送信する
  4. 6月の規定日までに受講料の約8万円を払い込む(受講料の納入が確認されてからFAXで講義受講票が送信される)
  5. 指定クールや指定会場で特定行政書士の研修を受講する
  6. 最後に考査試験を受験し、合格すると晴れて特定行政書士になれる

参考:特定行政書士法定研修募集要項 http://tokuteikensyu.com/images/text/boshu_2017-4.pdf

試験の受験の2ヵ月後に結果が発表されて、特定行政書士に認定されると今までの行政書士証票に「特定行政書士」の記載が追加されます。

特定行政書士として認められると、顧客やクライアントに対して行政不服申し立てに係る手続きの代理業務が可能です。

特定行政書士の受験資格は?

特定行政書士の受験資格は、申し込み時点で行政書士名簿に登録されている者と決められています。

行政書士の資格を活かして事務所を開業して業務を遂行するには、前段階として行政書士会に登録しないといけません。

ここでは行政書士会への登録から業務を始めるまでの大まかな流れを解説していきます。

  1. 開業予定の都道府県の行政書士会に申請書を提出する
  2. 都道府県行政書士会への登録を先に済ませる
  3. 都道府県行政書士会が申請書を日本行政書士会連合会に送達する
  4. 日本行政書士会連合会の審査に通ると晴れて行政書士として登録される
  5. 行政書士としての仕事を顧客やクライアントに提供できる

つまり、行政書士の試験に合格しているだけでは、特定行政書士の研修を受講したり試験を受けたりすることはできません。

特定行政書士になるためには、日本行政書士会連合会と都道府県行政書士会の2つの会に所属するのが条件だと心得ておきましょう。

行政書士会への登録について詳しくは、下記の記事も参考にしてください。

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特定行政書士の法定研修の内容

特定行政書士への申し込みを済ませた後に、希望したクールや指定会場で次の法定研修を受講する形になります。

  • 1時間の行政法総論
  • 1時間の行政手続制度概説
  • 2時間の行政手続法の論点
  • 2時間の行政不服審査制度概説
  • 2時間の行政不服審査法の論点
  • 2時間の行政事件訴訟法の論点
  • 4時間の要件事実・事実認定論
  • 2時間の特定行政書士の倫理
  • 2時間の総まとめ

トータルで合計18時間の法定研修を4日間にかけて受講します。

平日4日や土曜日4日を選ぶことができますので、平日は働いている人でも特定行政書士の法定研修の受講は可能です。

18時間全ての研修を受けるのが条件ですので、特定行政書士を目指す方はきちんとスケジュール調整を行いましょう。

特定行政書士の考査試験の概要

法定研修を受講し終わった後は、特定行政書士の考査試験を受けます。

以下では、特定行政書士の考査試験の概要についてまとめてみました。

試験日 10月の第三日曜日
試験方式 マークシートによる択一式問題
試験時間 2時間
出題数 行政法総論を含めた手続法や救済法から20問、その他倫理等10問
合格基準 トータル30問中の約60%である18問正解が基準

通常の行政書士試験と同じように、特定行政書士の考査試験も1年間に1回しか実施されていません。

そのため、特定行政書士の考査試験に確実に合格したいのであれば、行政書士試験を受けてから期間を空けずに臨むのがポイントですね。

特定行政書士の考査試験の難易度は高い?合格率はどのくらい?

「行政書士試験はかなり大変だったのに、また難易度の高い特定行政書士の考査試験を受けないといけないなんて…」と不安を抱えている方はいませんか?

しかし、特定行政書士の考査試験は通常の行政書士試験と比較してみると、難易度が低く設定されています。

その証拠として、特定行政書士の試験の合格率は65%~70%です。

きちんと法定研修を受けて知識を頭に入れて、試験前に復習していれば落ちることはありません。

それでも、約3割の人は特定行政書士の考査試験で不合格になっていますので、費用を無駄にしないためにも事前の対策は必須です。

「特定行政書士になっても意味はない」という意見は出回っているものの、今後の活躍の場所が広がるのは紛れもない事実ですので、自分に必要なのかどうか考えてみましょう。

特定行政書士の考査試験の過去問はある?

行政書士試験と同じで、特定行政書士の考査試験にも過去問はあります。

特定行政書士の考査試験でどのような問題が出題されているのか、平成29年の過去問サンプルを見ていきましょう。

<次のうち誤っているものはどれか(③が間違い)>
①行政指導はあくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現させるものであり、法的拘束力は存在しえない。(行政手続法32条1項)

②行政指導は、相手方の任意の協力を前提とするものであるため、個別の法律や条例の根拠を要しないが、法律や条例があえて行政指導の根拠条文を置くこともある。

③申請がなされたのちに、その時の内容変更を求める行政指導をすることは認められる。

④許認可等の権限を有する行政機関は、当該権限を行使する意思がなければ、当該権限を行使し得る旨を殊更に示して行政指導をすることは認められない。(行政手続法34条)

過去問を使って演習を行い、問題の出題傾向を探る対策は欠かせません。

しかし、特定行政書士の制度が作られたのは最近のことで、考査試験の過去問は少ないのが現状です。

過去問だけでは十分な特定行政書士の試験対策ができませんので、参考書やテキストを使った学習を中心的に行いましょう。

まとめ

以上のように、特定行政書士になるメリットや業務の内容、試験の難易度や合格点についてまとめてみました。

法定研修を受けて考査試験になると特定行政書士になり、行政不服申し立てに係る手続きの代理業務ができるようになります。

他の業務と比べると不服申し立ての依頼は少ないのですが、日頃から許認可業務が多い行政書士は更なるステップアップとして特定行政書士を目指してみてください。

行政書士の資格に関する記事は、下記も参考にしてください。