行政書士試験の出題形式は3種類!
行政書士試験の出題形式は、次の3種類に大きくわけることができます。
- 5つの選択肢の中から適切な答えを1つ選ぶ「5肢択一式」
- 当てはまる選択肢を複数個選ぶ「多肢選択式」
- 質問に対する答えを40文字以内で解答する「記述式」
行政書士に合格するには、科目ごとの出題形式についてきちんと把握しておかないといけません。
3時間の中で60問を解答する形になりますので、行政書士試験はスピードも求められますね。
行政書士の記述式問題は難しいの?
「行政書士の記述式の問題は、どのぐらい難しいのだろう」と不安に思っている初学者の方は少なくありません。
5肢択一式や多肢選択式は複数の選択肢から正解を選ぶだけですが、記述式の場合は自分で40文字以内で解答する必要がありますので、難易度が高いと考えがちです。
しかし、行政書士の記述式問題は、皆さんがイメージするほど難しいものではありません。
あらかじめ40文字以内とわかっていますので、ヒントを与えてくれているようなものです。
40文字で解答できる問題は限られているため、20文字~25文字しか書けない時は間違っていると判断できます。
「問題文をしっかりと読んで理解する」「法律の要件と効果、キーワードをピックアップする」「日本語がおかしくない文章にする」という点を意識していれば、行政書士の記述式問題を必要以上に怖れる必要はありません。
行政書士の記述式問題の勉強法や対策法をまとめてみた
行政書士の記述式問題は、択一式の得点に上乗せするイメージです。
毎年計3問(うち行政法から1問、民法から2問)が出題となるので、問題数は多くありません。
しかし、1問20点ですから、3問合計で60点。なんと全得点(300点)のうち、20%が記述式の3問に割り当てられています。
行政書士試験の原則は択一式の問題で得点を積み重ねることですが、記述式問題の対策も手が抜けないことがお分かりでしょう。
記述式問題をしっかりと解ければ、行政書士の合格は近付きます。
以下では、行政書士の記述式問題の勉強法や対策法について詳しくまとめてみました。
「どうやって解けば記述式問題を得点できるの?」と疑問を抱えている受験生は、是非一度参考にしてみてください。
記述式の勉強方法の流れを押さえる
行政書士の記述式問題の対策では、勉強方法の流れを押さえるのが大事です。
当てずっぽうで解ける問題ではありませんので、勉強のやり方が間違っていると得点源にできなくなります。
具体的に行政書士の記述式問題で何をすれば良いのか見ていきましょう。
- 5肢択一の問題を8割以上できるようになってから記述式の問題に取り掛かる
- 記述演習で答え合わせをする時は結論を見るだけではなく、そこに至る論拠を把握する
- ただ思いついた内容を書きだすだけではなく、40字以内にまとめる訓練を行う
頭の中で考えている内容と、実際にアウトプットする能力は違います。
しかし、知識がインプットされていなければアウトプットはできませんので、まずは5肢択一の問題から取り掛かるのが行政書士の記述式問題の効果的な対策です。
解法の手順をマスターする
行政書士の受験生で、「記述式問題で何を書けば良いのかわからない」「自分の解答が模範解答とずれている」「思うように文章を作れない」と悩んでいる方はいます。
これは記述式問題の解法の手順が間違っているのが大きな原因です。
行政書士の記述式問題は解き方をマスターするのが攻略のカギですので、次の手順で学習してみましょう。
- 問題を読み、必要に応じて図を書くなどして「何が問われているのか」を正しく把握する
- 問いの形から解答の形を作り出す
- 答えに必要な条文や判例の知識を喚起する
- 条文や判例知識で穴埋めを行う
- 正しい日本語で文章を書くことができているか確認する
同じ条文や判例を問う問題でも、問われ方には様々な違いがあります。
「どのような理由で?」「どのような判決をするか?」といった点をオウム返しにすると、行政書士の記述式の問題はかなり解きやすくなるのです。
頻出の論点を押さえる
行政書士試験の記述式では、行政法・民法とも、出題されやすい論点があります。
- 行政法:行政事件訴訟法が頻出
- 民法:行政法よりはバラエティに富むが、物権・債権が比較的出題されやすい
もちろん、あなたが受験する際に上記が出題されるとは限りませんが、出題形式に慣れるためにも、過去10年分程度は解いておきましょう(毎年3問のため、10年分解いても30問だけです)。
漢字を覚える
行政書士の記述式問題では、難しい漢字が出てきます。
「○○○の漢字は読めるけど書けない」というケースはかなり多いのではないでしょうか。
記述式問題では自分で文章を書く形になりますので、漢字をしっかりと覚えるのは重要な対策です。
行政書士の過去問を見てみると、「秩序罰」「瑕疵」という難しい漢字が出てきました。
普段から書いていないと、本番の試験で書くことはできません。
漢字が間違っていると減点対象になりますので、実際に紙に書くトレーニングを行いましょう。
40文字にまとめるのが苦手な人の種類
行政書士試験の記述問題が苦手な人は、おおきく2つの種類があります。
- 空欄が余ってしまう(半分位しか文字を埋められない。
- 40文字では足りず、文字数オーバーしてしまう。
行政書士の試験の記述式問題で得点するには、しっかりと40文字にまとめなければなりません。
文字数を埋められない人は、単純に知識が不足しています。つまり、勉強不足が大きな原因ですので、択一問題に戻って復習しましょう。
逆に40文字を超える人は余計な部分が多いので、問われていることだけ端的に答えることを意識してみてください。
行政書士の記述式のおすすめ問題集はこれだ!
行政書士の記述式問題は、問題集を使った対策がおすすめです。
知識をつけて頭の中で考えるだけでは、記述式問題で得点することはできません。
問題集を使って実際に書くトレーニングをすれば、どうやって40文字以内の解答を作れば良いのか自然と見えてきますよ。
そこで、このページでは行政書士の記述式のおすすめ問題集を紹介していますので、選び方で迷っている方は参考にしてみましょう。
- 出る順行政書士 記述式・多肢選択式問題集:「問題の所在の発見」⇒「適用法令・制度の発見」⇒「事例への適用条文等の当てはめ」の解き方で得点のアップを図ることができる
- 出る順行政書士ウォーク問過去問題集:資格スクールのLECから出版されている問題集で、10年間分の過去問がギッシリと詰まっている
- みんなが欲しかった! 行政書士の40字記述式問題集:資格の学校TACが出版する問題集で、行政書士試験を制する解法テクニックを習得できる
※出る順行政書士 記述式・多肢選択式問題集のレビュー記事はこちら
https://gyousei-fight.com/lec-ashibetsu-kakomon/
行政書士の試験対策では、過去問題集を3周すると正答率が上昇します。
わからない部分は何度も繰り返し解いて記憶に定着させて、視点を変えても解答できるように努力してみてください。
行政書士の記述式問題を捨てるのはあり?
「行政書士の記述式の問題は苦手だから捨てよう」と考えている方はいませんか?
文章を書くのが苦手な方にとっては記述式問題は難しいと感じますが、全てを捨てるのは勿体ないですよ。
なぜ行政書士の試験で記述式問題を捨てるのがNGなのか、いくつかの理由を見ていきましょう。
- 記述式問題が0点だと仮定すると、法令科目は80%以上の得点が必要になる
- 法令科目で80%以上を得点できるレベルの方は、記述式にも対応できる学力が備わっていると判断できる
- 完璧な解答ではないとしても、部分点をもらえる可能性がある
行政書士試験研究センターが公表しているわけではないものの、記述式問題には部分点が存在します。
たとえば「誰が」だけでも書いておくことで得点源にできる可能性があります。
法令科目だけで80%以上を得点するのはハードルが高いので、記述式問題を捨てずに行政書士試験の対策を行ってみてください。
まとめ
以上のように、行政書士試験の記述式問題が苦手な方のために、勉強法や対策のコツ、おすすめの問題集についてまとめました。
まずは択一式の問題で理解度を高めて、その後に解法の手順をマスターすれば行政書士の記述式問題で得点できるようになります。
行政書士の試験は記述の得点で合格者数が調整されているとの噂もありますので、まずは択一式で得点を稼ぎ、そのうえで記述式は大きく外さないような勉強法を心掛けましょう。