一般コラム

行政書士は簡単?

行政書士試験は簡単?

なぜ行政書士試験は簡単と言われるのか?

何か資格を取得するに当たり、試験の難易度が高いのか簡単なのか気になりますよね。

行政書士試験に関しては、「合格するのは簡単」「誰でも取得できる」との意見が出回っていました。

まず最初に、なぜ行政書士試験は簡単だと言われているのかいくつかの理由を見ていきましょう。

他の難関国家資格と比べて簡単に見える(合格率と勉強時間で比較)

行政書士試験が簡単との意見があるのは、他の難関国家資格と比べているのが一番の理由です。

司法書士や公認会計士と比べてみると、確かに行政書士は簡単に見えます。

以下では、行政書士と他の国家資格を試験の合格率や勉強時間の目安で比較してみました。

資格の種類 試験の合格率 勉強時間の目安
司法書士 4%~5%程度 3,000時間以上
中小企業診断士 4%~5%程度 1,000時間以上
社会保険労務士 6%~7%程度 1,000時間以上
公認会計士 9%~11%程度 3,000時間以上
不動産鑑定士 11%~12%程度 2,000時間以上
税理士 12%~17%程度 3,000時間以上
行政書士 10%~15%程度 600時間~800時間

行政書士の試験に合格するまでの勉強時間の目安は短いのにも関わらず、合格率はそこそこ高い数値で推移しています。

そのため、行政書士は他の士業と比べて簡単な試験というイメージが根付いたわけですね。

以前の行政書士試験は現在より簡単だった

行政書士試験の出題形式を大きくわけると次の3種類です。

行政書士試験の出題形式
5肢択一式 5つの選択肢の中から適切な答えを1つ選ぶ問題
多肢選択式 長文の空欄に当てはまる語句を20個の選択肢から選ぶ問題
記述式 質問に対する答えを40字以内で記述して回答する問題

以前までの行政書士試験は、選択問題や穴埋め問題ばかりで簡単でした。

「運任せで適当に受験しても合格するのでは?」と言われるくらいのレベルです。

現在よりも遥かに簡単でしたので、行政書士試験の難易度は低いとの意見が出回っていますよ。

今は5肢択一式や多肢選択式に加えて、記述式の問題が増えてハードルは一気に上がりました。

他の難関国家資格の合格者から見下されている

現在では少ないのですが、一昔前の行政書士は他の難関国家資格の合格者から見下されることがありました。

かつての行政書士は「代書屋」等と呼ばれており、運転免許の更新申請の作成や官公署の申請手続きなどをメインの仕事としていました。

しかし、日本人の多くが高学歴になるとともに、「高度な知識がなくてもできる書類の作成でお金を取る人」等と行政書士は批判されることに…。

世間から厳しい視線を受けることも多く、弁護士や税理士からすれば行政書士のレベルは低いイメージがあったわけです。

他の難関国家資格よりも難易度が低いのは事実ですので、「行政書士の試験は簡単だ」とささやかれても不思議ではありません。

行政書士試験は実際には難易度は高い!その理由は?

実際のところ、行政書士試験は決して簡単ではありません。

Twitterの口コミでも、「行政書士は難しい」「試験はもっと簡単だと思った」とのコメントがありました。

なぜ行政書士試験の難易度が高いのか、3つの理由について詳しく解説していきます。

行政書士試験の内容が難化した

行政書士試験の難易度が高いのは、試験の内容自体が難化したからです。

上記の項目で解説した通り、現在の行政書士試験は5肢択一式や多肢選択式に加えて記述式の問題も出題されるようになりました。

「2000年に法令に関する記述問題が採用」⇒「2006年に理解力や思考力等の法律的素養を重視」⇒「その後記述問題の字数が40字に増える」と、徐々に難しくなっていることがわかります。

行政書士試験の記述式の問題は、民法が2問で行政法が1問ですね。

基本的な語句説明や制度説明ですが、行き当たりばったりで得点できる問題ではありません。

条文の記憶に加えて応用力も求められますので、行政書士が簡単な試験というのは大きな間違いです。

法律初学者は慣れるまでが大変

行政書士の資格試験は年齢や性別、学歴や経験に関係なく誰でも受験できます。

他の士業とは違って受験資格はありませんが、法律の初学者は慣れるまでが大変です。

聞いたこともない条文を勉強する必要がありますので、初学者の立場に立ってみると行政書士試験は難易度が高いと言えるでしょう。

全くの初学者から行政書士の合格を目指すには、それなりの勉強時間が必要だと心得ておくべきです。

試験範囲が広がった

行政書士が簡単に受からないのは、試験範囲が広がったからです。

行政書士の試験範囲は、次の法令科目と一般知識にわけられます。

分野 法令科目 一般知識
試験科目 基礎法学、憲法、行政法、民法、商法 政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解
問題数 全部で46問 全部で14問
配点 244点 56点

法令科目では、行政法や民法を中心に法律の条文や判例の専門的な知識が必要です。

更に基礎的な知識をベースに、試験では応用力や思考力も同時に問われますよ。

一般知識の科目は、「情報通信に関する問題」「政治経済などの時事問題」「国語力を問う文章理解」など、範囲が物凄く広いのが厄介なポイントです。

行政書士試験の改正前と比べて試験科目の変更や出題範囲の拡大があったため、以前よりも難易度は確実に上がりました。

独学で行政書士試験に一発合格することは可能か?

「独学で行政書士試験に一発合格できるの?」と疑問を抱えている方はいませんか?

何年も費やして勉強を続けると時間とお金の無駄ですので、一発で試験に合格したいと考えるのは当然ですよね。

このページでは、「行政書士試験に独学で一発合格できるのか?」「正しい勉強法は何なのか?」といった点について解説していきます。

独学で一発合格は決して無理ではない

結論から言うと、行政書士試験を独学で一発合格するのは決して無理ではありません。

予備校に通ったり通信講座を利用したりせず、参考書やテキストの購入だけで行政書士の試験に合格した方はたくさんいます。

なぜ行政書士試験の独学一発合格が可能なのか、考えられる理由をいくつか見ていきましょう。

  • 近年の行政書士試験の合格率は10%前後で、他の士業よりも一発合格を狙いやすい
  • 受かる見込みが全くない人も受験するため、ちゃんと勉強した人は合格率が上がりやすい
  • 試験合格に必要な勉強時間の目安は600時間~800時間で、1年間の期間でも十分に満たせる
  • 法的な知識を持っている受験生は、初学者よりも一発合格できる確率がアップする

数年前と比較してみると、行政書士の受験生は減少傾向にあります。

しかし、毎年一定の合格者数を輩出する必要がありますので、一気に試験のレベルが難化することはありません。

数年前よりも行政書士試験は難易度が低くなっているため、既に法的な知識を持っている人は特に一発合格が射程圏内というわけです。

法的な思考力を高めたうえで正しい勉強法を行うのがポイント

誰でも簡単に行政書士の試験に独学で一発合格できるわけではありません。

行政書士試験の一発合格を目指すには、法的な思考力を高めて正しい勉強法で取り組むのがポイント!

まず最初に、法令科目の民法と行政法の勉強から行いましょう。

民法と行政法は行政書士試験の問題の多くを占めていますので、この科目で高得点を取ることができれば合格に近づきますよ。

民法の問題は細かい部分まで問われることが多く、行政法は出題範囲が広いので、正しい知識のインプットが欠かせません。

法的な思考力とは、問題を発見し、判例などに当てはめて考え、結果として妥当な結論を導く能力のことです。

行政書士に限らず、他の士業の試験合格を目指すに当たって法的思考力はとても大事です。

そこで、テキストを読み込むだけではなく、過去問を解いて正誤判断の理由を書き出す勉強法を取り入れましょう。

解答の根拠をしっかりと書き留めることにより、法的な思考力が高まって行政書士試験の一発合格に繋げられます。

試験よりも合格後に仕事を取っていくほうが簡単ではない

行政書士は独立開業に向いている資格の一つです。

実は試験そのものよりも、合格後に仕事を取る方が簡単ではないと考えられています。

行政書士の場合、試験に合格しても、「企業内行政書士」という概念がないため、行政書士としては一般企業に就職したり転職したりする選択肢がありません。

行政書士事務所や法律事務所の求人も少ないため、自分で独立して開業する方が増えています。

しかし、「営業が苦手」「顧客を上手く獲得できない」という方は、廃業に追い込まれる恐れあり…。

人脈の無い状態で行政書士事務所を開業し、営業して顧客を獲得するのは並大抵のことではありません。

行政書士は試験に合格して終わりではなく、その後の勉強や営業が重要だと心得ておくべきです。

行政書士の需要や将来性は高い!

「試験の難易度が高い」「試験合格後に仕事を取るのが難しい」と聞き、行政書士を目指しても意味がないのではと考える方はいます。

しかし、行政書士は需要や将来性の高い国家資格の一つです。

確かに行政書士業界は競争が激しいのですが、業務自体がなくなることはありません。

書類作成のプロと呼ばれる行政書士が取り扱える業務は、「会社設立の手続き」「飲食店開業の手続き」「契約書各種の作成」「書類作成に関する相談」など様々!

これらの業務をプロに依頼したいという需要はなくならないので、行政書士には十分に将来性があるわけです。

現在では法務的観点から幅広いアドバイスを行うコンサルティング業務も注目を集めていますので、「行政書士の資格は意味なし」という考えは間違っています。

まとめ

以上のように、行政書士試験は簡単ではありません。

「試験の内容が難化した」「試験範囲が広がった」などの理由で、一昔前よりも行政書士の難易度は上がっていますよ。

その代わりに需要や将来性の高い資格ですので、「何かスキルを身に付けたい」といった方は行政書士を目指してみてください。