今回は、「行政書士の独学必勝法」についての記事です。
行政書士は難易度の高い試験のため、資格スクールに通学して学習される方が多くいます。しかし社会人の方を中心に、「忙しくて資格スクールに通う暇がない!」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのような方に是非読んで欲しい記事です。効率的な合格に向け、ぜひ参考にしてください。
行政書士は独学で合格できるの?
行政書士の合格率は10%を切る年度もありますので、非常に難関の資格です。
そのため、「行政書士は独学で合格できるの?」と疑問に思っている方はいませんか?
1日の勉強時間や学習法で違いがありますので一概には説明できませんが、行政書士試験の受験者の中には独学で合格できた方はいますよ。
大学部の法学部で法律の勉強をした人や、行政手続等を仕事でやっていた経験を持つ人は、独学での合格も現実的です。
ここでは、行政書士の勉強を独学で行うメリットとデメリットについてまとめてみました。
行政書士の独学のメリットは?
独学で行政書士の学習をするメリットは以下のとおり。
- 経済的負担が小さい(市販テキストと過去問があれば学習できる)
- 学習する時間や場所の融通が効く
資格スクール(予備校)に通学すると、かなりの出費が発生しますし、毎回決まった曜日・時間を空けておく必要があります。
一方、独学であれば、自分の好きな時間に、費用を節約しながら、行政書士の受験勉強をすることができます。
行政書士の独学のデメリットは?
独学で行政書士を目指すことは良いことばかりではありません。次のようなデメリットもあるので、チェックしておきましょう。
- 学習計画やテキストや問題集の選択など、すべて自分で判断して決めなければならい。
- 上記の判断が間違っていると、勉強しても成果が出難くなる
- 学習上に疑問点が発生しても、質問できる人が身近にいない
- 1人で勉強していると、不安になったりモチベーションが継続しなかったりする
- 他人から強制されないので、日常生活のなかでズルズルと勉強しない時間が続くことがある
1人で計画を立てたり、勉強を継続させたりする自信の無い方は、通学講座や通信講座を検討した方が良いかも知れません。
なお、行政書士試験を独学で目指すメリットとデメリットについては、次の記事に詳細を説明してありますので、良かったらチェックしてみてください。
行政書士の勉強法!試験科目や配点は?
行政書士の詳しい勉強法の前に、まずは試験科目や配点について見ていきましょう。
憲法:8点
行政法:16点
行政法:20点
民法:40点
政治・経済・社会:28点
情報通信・個人情報保護:16点
文章理解:12点
行政書士試験全体の得点が300満点中180点以上で合格です。
ただし、法令科目と一般知識科目にそれぞれ足切りがありますので、注意してください(法令科目は満点の50%以上得点すること、一般知識科目は満点の40%以上得点すること)。
行政書士の試験の勉強法は計画的に行うのがポイント!
行政書士の試験の勉強法は、計画的に行わないといけません。
具体的にどのようなポイントを押さえておけば良いのか、独学で行政書士の試験にチャレンジする予定の方はチェックしておきましょう。
十分な勉強時間を取る
試験に不合格になる一番の理由は何だと思いますか?
それは、「勉強する時間が足りないこと」、当然と言えば当然かも知れません。
「独学であれば、自分の好きな時間に勉強できるから、むしろ勉強時間を多く取れるのでは?」
もしかして、そう考えるかも知れません。
しかし、特に社会人受験生の多い行政書士試験では、多忙な受験生が多いため、当初の目論見(計画)どおりに勉強時間が確保できないことが多々あります。
さらに、独学の場合は「分からないことを講師に質問する」といったことができないため、正しい知識を調べて理解するのに時間が掛かりすぎるなど、非効率な点も多いのです。
その他、行政書士の独学のデメリットの箇所で見たように、「強制力が働きにくい」「モチベーションが維持しずらい」といったこともあるため、思うように勉強が進まない方が、むしろ当たり前と考えた方がよいのです。
行政書士の受験勉強に800時間が必要とすると、1日3時間で9ヶ月かかる計算になります。
それだけの時間を毎日、働きながら確保できるのは並大抵の努力では難しいもの。
「計画通りには決して進まないもの」と肝に銘じて、予め1年低度の時間を見ておくなど、余裕を持った計画を立てるのが重要です。
勉強の順番や勉強時間を把握する
前項でも少し触れましたが、
行政書士試験の合格に必要な勉強時間は、以下のとおりです。
- 初学者の方:800時間前後
- 受験経験者、宅建など法律系資格保持者:500時間前後
ただし、上記の勉強時間は「正しい勉強方法を行った場合」との注意事項が付きます。勉強の順番については、
- 法令科目は、【民法→憲法→行政法→商法会社法→基礎法学】の順番とする
- 法令科目と平行して一般知識科目も少しずつ進める
以上がポイントとなります。
勉強時間や勉強の順番について、詳しくは以下の記事もチェックしてみてください。
行政法と民法を中心に学習する
行政書士試験にの勉強の中心は、行政法と民法です。
行政書士試験の合格ラインは300点満点の8割=180点ですが、なんと行政法と民法の配点だけで180点を上回っているのです(2つの科目の配点の合計は188点)。
もちろん、なんでそんなに配点が大きいかと言えば、「行政書士試験において、民法と行政法が重要視されているから」に他なりません。
行政法や民法の勉強法の詳細は、以下でまとめてありますので、そちらも参考にしてみてください。
記述式の対策も必要
苦手意識を持つ方の多い記述式問題。
40文字とはいえ、「与えられた文章等から選択するのではなく、自分で考えて記述しなければならない」という点が、苦手に感じるポイントでしょう。
しかし、記述式問題の対策として特効薬はありません。
まずは、択一式の過去問で85~90%正解できるほどに実力を挙げること。そのうえで、以下のプロセスで記述問題を解く練習をするのみです。
- 与えられた問題文中のどこに、真の問題が潜んでいるか、発見する
- その問題に対し、適用する法令や制度を洗い出す
- その問題の事例に対し、適用する法令などを洗い出す
- 細かい表現や文字数などに気を配る
上記の解法を意識して繰り返し記述式問題を解いていけば、少しずつ実力が向上します。
記述式の問題の対策や勉強法についてくわしくは、次の記事も参考にしてみてください。
行政書士の模試を一度受けよう
独学で行政書士の合格を目指している人は、模試を一度受けてみましょう。
模試(模擬試験)や答練(答案練習会)を受験すれば、今の実力を把握したり苦手分野を克服したりできます。
行政書士の試験では毎年違った問題が出題される傾向がありますので、過去問を解いているだけでは不十分です。
模試はその年の本番に出題される可能性が高い問題を押さえることができるため、受けておいて損はありません。
模試の効果的な活用方法については、下記の記事も参考にしてみてください。
行政書士の独学でおすすめのテキスト
独学で行政書士の試験にチャレンジする方には、基本テキストや問題集の選択が重要になります。
下記は、私が主観で選んだ「行政書士試験対策テキスト・問題集等教材シリーズ」です。
- 第1位:合格革命 行政書士シリーズ(早稲田経営出版):理解させるべき説明部分と暗記で済ませる部分のバランスが一番よい。フルカラー。
- 第2位:うかる!行政書士 シリーズ(伊藤塾):説明の詳細さはNo.1、じっくり勉強したい人向き。フルカラー。
- 第3位:出る順行政書士シリーズ(LEC):本文が見開きで完結。2色刷り。
- 第4位:みんなが欲しかった!行政書士シリーズ(TAC出版):図やイラストが多く文章量が少ない。暗記で対応したい人向け。持ちやすい5分冊。フルカラー。
あくまで私の主観なので、あなたに本当に合うテキストは、私の選択と異なるかも知れません。
ただ、「私が各テキストを評価した理由」については、下記の記事にくわしく書いてあります。これからテキストを購入する方は、ぜひ参考にしてください。
行政書士の勉強法!過去問の正しい使い方は?
行政書士の試験の勉強法として、過去問は忘れてはいけない存在です。
過去問と同じ問題が出題されることはありませんが、頻出問題や論点のヒントがこもっていますので、欠かさずに取り組む必要があります。
過去問の形を変えて出題されることは良くありますので、過去問の趣旨や論点を学習することで、角度を変えた新しい問題にも適切に対応できるでしょう。
テキスト等のインプット学習よりも、過去問演習によるアウトプット学習のほうが記憶の定着に結びつきますし、合格に近づきますよ。
過去問以外に予想問題集や模試も活用する
ただし、行政書士試験は範囲が膨大であるため、過去問だけだと演習量が不足します。
そこで、「過去問を解く」⇒「予想問題集を解く」⇒「模擬試験にチャレンジ」という流れで進めていきましょう。
過去問だけに頼るのではなく、他の問題集や模擬試験と並行して勉強するのが行政書士合格の秘訣です。
過去問の使い方については、下記の記事も参考にしてみてください。
行政書士の勉強法でノートは作る?作らない?
行政書士の勉強法でノートを作るべきか、作らなくても良いのか迷っている方はいませんか?
個人の学習スタイルで変わりますが、基本的に行政書士の試験対策ではノートを作らなくてもOKです。
重要な点についてノートでまとめるよりも、わからない知識が出てきた時に教科書や参考書に戻って知識を頭に入れ直した方が効率良く学習できます。
それに、行政書士の試験は物凄く範囲が広いため、ノートを作るならインプットやアウトプットの時間に割いた方が良いでしょう。
行政書士の勉強法!スキマ時間にスマホ動画対応通信講座を利用しよう
行政書士の勉強法は、参考書や問題集を用意して机に向かってガリガリと解くだけが全てではありません。
独学で試験に合格したいのであれば、スマホ動画対応通信講座を利用するのも選択肢の一つです。
スマホ動画対応通信講座は、講義動画から基本問題・過去問演習まで、行政書士の試験対策ができるコンテンツが揃っています。
通勤時間や休憩時間などのちょっとしたスキマ時間を有効活用して学習できるのが大きなメリットですので、自分に向いている行政書士のスマホ動画対応通信講座を探してみてください。
また、問題演習だけなら、無料~数百円程度のスマホアプリを利用する手もあるでしょう。
行政書士試験用のスマホアプリについては、下記記事を参考にしてください。
まとめ
以上、行政書士の試験に独学で合格するための勉強法についてまとめてみました。
行政法や民法を中心に学習したり記述式問題の対策を行ったりすれば、行政書士の試験の合格に近付きます。
ただし、特に法律初心者の場合、純粋な独学だと続かない可能性もあります。
私のおすすめは、上記にも書いたとおり「スマホ対応動画講義の付属する通信講座」をテキスト代わりに使うこと。
市販のテキストよりは費用がかかるものの、4万円台~から利用できますので、予算が許せば、そちらも検討してみてください。
あなたの行政書士試験合格を心から祈っています。是非チャレンジしてみてください。