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通関士の難易度ランキング!他の資格と偏差値などを比較・解説!

通関士難易度ランキング

通関士とは?

通関士とは、税関に輸出入の申告や各種手続きを行う貿易に関する唯一の国家資格です。

通関業者は通関業務を適切に行うために、通関士の設置が義務付けられています。

独占業務を持つ業務独占資格ですので、試験に合格しないと通関士を名乗ることができません。

通関士の難易度は?

通関士は難易度の高い資格です。

下記の項目でも詳しく解説していますが、法律や貿易に関する専門用語が頻出したり法改正の度に対応したりと、試験に合格するにはきちんと準備する必要あり!

通関士試験の合格に必要な勉強時間

通関士試験に合格に必要な勉強時間は、400時間~500時間が目安です。

1日に平均して2時間の勉強をこなすと仮定すると、半年間で合格を目指せる計算になりますね。

しかし、既に法律の知識や通関業務の経験がある方は、もっと短時間で通関士に合格することも可能です。

通関士の勉強時間や勉強方法は下記のページでも解説しています。

通関士の勉強時間
通関士の勉強時間の目安は何時間?勉強方法や試験の内容も徹底解説通関士とは? 通関士とは、輸出入の手続きを行うプロフェッショナルです。 貨物を輸出入するには、「税関に輸入申告をする」「検査を受...

 

通関士試験の受験者数と合格者数・合格率の推移

以下では、通関士試験の受験者数や合格者数、合格率のデータをまとめてみました。

試験年度 受験者数 合格者数 合格率
2014年度 7,692名 1,013名 13.2%
2015年度 7,578名 764名 10.1%
2016年度 6,997名 688名 9.8%
2017年度 6,535名 1,392名 21.3%
2018年度 6,218名 905名 14.6%
2019年度 6,388名 878名 13.7%
2020年度 6,745名 1,140名 16.9%
2021年度 6,961名 1,097名 15.8%

例外として2017年度の通関士試験は合格率が20%を超えていますが、平均は10%~15%で推移していますよ。

合格率が10%を切る年度もありますので、通関士試験の難易度の高さはおわかり頂けるのではないでしょうか。

合格者の中には科目免除者も含まれている

通関士の試験では、科目免除の制度があります。

通関士試験の科目免除の条件は次の2つです。

  1. 通関業者の通関業務又は官庁における関税その他通関に関する事務に従事した期間が通算で15年以上
  2. 通関業者の通関業務又は官庁における通関事務に従事した期間が通算で5年以上

合格者の中には科目免除者も含まれていますので、科目免除無しの人に焦点を当てると合格率は下がりますね。

通関士試験の合格基準点(科目別)

通関士試験の科目別の配点や合格基準点は下記の通りです。

試験科目 配点 合格基準
通関業法 45点 60%以上の得点(45点中27点以上)
関税法等 60点 60%以上の得点(60点中36点以上)
通関実務 45点 60%以上の得点(45点中27点以上)

試験全体で60%以上の得点でも、科目別の足切りがありますので注意しましょう。

通関士の難易度ランキング~他の資格と比較

このページでは、通関士の難易度ランキングがどのくらいなのか他の資格と比較していきます。

「勉強時間」「合格率」「偏差値」の観点で比較していますので、通関士の試験を受験する前に要チェックです。

勉強時間から見た難易度ランキング

通関士と他の資格を合格までの勉強時間の目安でランキングしてみました。

資格 勉強時間の目安
司法試験 3,000時間~8,000時間
公認会計士 4,000時間
税理士 3,000時間
中小企業診断士 1,000時間
社会保険労務士 800時間~1,000時間
行政書士 500時間~1,000時間
通関士 400時間~500時間
簿記2級 350時間~500時間
宅建士 300時間
FP2級 150時間~300時間

勉強時間で比較してみると、通関士の難易度はそこまで高くないと感じる方は少なくありません。

しかし、近年では試験が難化傾向にありますので、簡単には合格できないと心得ておくべきです。

合格率から見た難易度ランキング

今度は通関士と他の資格を合格率の観点でランキング形式で比較していきます。

資格 平均の合格率
司法書士 3%~4%
中小企業診断士 4%~8%
社会保険労務士 6%~7%
通関士 10%~15%
行政書士 10%~15%
宅建士 15%~18%
税理士 15%~20%
簿記2級 20%~25%
FP2級 20%~30%
司法試験 30%~40%

合格率で比較してみると、通関士の試験の難易度は高めですよ。

他の士業と同じように、通関士もしっかりと勉強しないと試験に合格できません。

偏差値から見た難易度ランキング

最後に主な国家資格の偏差値から見た難易度ランキングを挙げていきます。

偏差値 代表的な国家資格
75 国家公務員一種(財務省・総務省)
72 司法書士
70 国家公務員一種(外務省・厚生労働省)
68 税理士・不動産鑑定士
66 中小企業診断士・一級建築士
65 FP技能士一級
62 社会保険労務士・行政書士
60 日商簿記検定一級
58 通関士
57 宅地建物取引主任者・二級建築士
55 FP技能士二級
53 英検二級・日商簿記検定二級
45 日商簿記検定三級

通関士は難関資格ですが、超難関ではありませんので勉強次第で合格は十分に可能です。

他の資格との難易度比較(コメント)

以下では、通関士と他の資格を難易度で比較していきます。

通関士がどのくらいの難易度の試験なのか確認しておきましょう。

貿易実務検定との難易度比較

貿易実務検定は、通関士と同じ貿易関係の資格です。

貿易に関する輸出・輸入の取引きの流れや貿易関連の法律など、貿易実務のエキスパートの証明になります。

貿易実務検定の試験は「A級」「B級」「C級」と3種類あり!

C級の合格率は約70%、B級の合格率は約50%、A級の合格率は約40%程度ですので、通関士と比べると難易度は低めですね。

その代わりに貿易実務検定は独占業務がなく、国の法律に基づいた国家資格でもありません。

海事代理士との難易度比較

海事代理士は、船舶登記や船舶登録、検査申請や船員に関する労務を行う海事法令のスペシャリストです。

海事代理士も通関士と同じで貿易に関連する資格になっています。

通関士の合格率は10%~15%程度なのに対して、海事代理士は30%~50%です。

そのため、海事代理士よりも通関士の方が難易度が高いと判断できますよ。

しかし、海事代理士の試験は一般的な法律に加えて海事関係の法律も範囲で、初心者が受けるような資格ではありません。

宅建士との難易度比較

通関士は貿易関係の資格なのに対して、宅建士(宅地建物取引士)は不動産取引のプロフェッショナルです。

不動産契約の内容の説明や契約の締結など、不動産取引に関する重要な情報を提供して契約を進めていきます。

通関士試験の合格率は10%~15%程度なのに対して、宅建士試験の合格率は15%~18%程度!

合格率ではほとんど変わりませんが、勉強時間の目安は通関士が400時間~500時間で宅建士が300時間程度です。

宅建士の方が短い時間で試験に合格できる点を加味すると、通関士の難易度の方が高いと判断できます。

行政書士との難易度比較

行政書士とは、官公署へ提出する書類や権利義務に関する書類を作成する街の法律家です。

合格率で比較してみると、通関士と行政書士はどちらも10%~15%程度で推移しています。

しかし、行政書士試験に合格するまでには500時間~1,000時間は勉強しないといけません。

両方とも法律と関連する資格ですので、通関士よりも行政書士の方が難易度が高いですね。

社労士との難易度比較

社労士(社会保険労務士)は、社会保険や労働関連の法律の専門家です。

就業規則や社会保険の手続きなど、社会保険や労働関連の書類の作成や提出を代行しています。

社労士試験の合格率は6%~7%、試験に合格できるまでの勉強時間の目安は800時間~1,000時間です。

通関士と比較してみると、社労士の方が難易度が高いことがわかります。

通関士の難易度は、なぜ高いの?

このページでは、通関士の難易度がなぜ高いのか詳しく解説していきます。

専門用語が多い

法律の初学者にとって、見たことも聞いたこともない専門用語がたくさん登場すると壁になりやすいですよね。

通関士の試験では、法律用語や税関や輸出入に関する専門用語が出てきます。

専門用語の意味を知るだけではなく、自然に使いこなせるレベルにならないといけません。

そもそも法律の条文や問題文を理解するのが難しいため、通関士の試験の難易度は高いと言われています。

独学だと勉強の中で生じた疑問を自力で解決できないこともありますので、スクールへの通学や通信講座の利用を検討しましょう。

科目別合格制度がない

中小企業診断士や税理士の試験では、科目別合格制が導入されています。

1年に1科目ずつ受験して合格すれば、数年間をかけて資格を取得できる仕組みです。

一方で通関士の試験には、科目別合格制度がありません。

2科目に合格して1科目が不合格だった場合、1年後にはもう一度全ての科目に合格しないと資格を取得できないわけです。

ケアレスミスで合否を左右するケースもありますので、通関士の合格率は低いのではないでしょうか。

実務に直結している「輸出入申告書の作成」が難しい

通関士の試験科目は、「通関実務」「通関業法」「関税法等」の3つです。

通関実務は実際の業務に関連した問題が出題されますが、輸出入申告書の作成が試験を難しくしていますよ。

輸出入申告書の作成は知識の暗記だけではなく、計算や品目番号の記入が必要です。

暗記で解けるほど簡単な科目ではありませんので、繰り返し過去問を解いて正確に計算するスキルを身に付ける必要があります。

法改正への対応が難しい

通関士に限らず、法律の知識を問う資格試験では常に法改正を繰り返しています。

数年前に覚えた項目が法改正で全く異なる内容に変わることも…。

この法改正への対応が大変なのは、通関士の試験の難易度が高い理由ですね。

その年の法改正は試験で必ず出題されますので、常に法律に関する情報をアップデートしないといけません。

複雑な出題形式

通関士の試験の出題形式を大きくわけると次の3つです。

通関士の試験の出題形式
択一式 五肢択一の問題で該当する肢がない場合は「0」をマークする
選択式 文章の中の空欄に対して与えられた語群から該当する番号をマークする
計算式 貨物の価格や税額を計算して正しい額をマークする

試験の大半はマークシート方式ですが、独特の出題形式は試験問題を難しくしています。

通関実務の試験科目に関しては、輸出申告書・輸入申告書に関する計算問題も出題されますので注意しましょう。

通関士の将来性は?

貿易関係で唯一の国家資格の通関士には将来性があります。

取引のグローバル化は今後発展することあれ衰えることはありません。

仕事が増えていく可能性の方が遥かに高いため、通関士の資格を持つ方が重宝されますよ。

海外と携わっている会社は特に貿易が日常的に行われますので、通関士の需要は高いわけです。

通関士は独学で合格できる?

「既に法律の知識がある」「貿易関連の仕事の実務経験がある」という方は、独学でも通関士に合格できます。

通関士の試験合格を独学で目指すに当たり、費用を抑えながらマイペースで学習できるのがメリット!

しかし、独学だと合格までに時間がかかる恐れがありますので、初学者はスクールへの通学や通信講座の利用を検討しましょう。

通関士に独学で合格できるのかどうかは下記のページでも解説しています。

通関士の独学
通関士は独学で合格可能?勉強時間や難易度・おすすめテキストまで解説通関士とは? 通関士とは、物品の輸出や輸入に必要な書類の作成や手続きが代行できる者を指します。 財務省が管轄している国家資格で、...

 

まとめ

通関士の試験の難易度や、他の資格との比較についておわかり頂けましたか?

司法書士や税理士のように超難関の資格ではありませんが、通関士の難易度はかなり高めです。

しかし、将来性や需要のある国家資格ですので、通関士の試験合格を目指してみてください。

この記事の監修者
氏名 西俊明
保有資格 中小企業診断士 , 宅地建物取引士 , 2級FP技能士
所属 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション