行政書士の試験に英語力は関係なし!
これは他の士業の資格試験にも該当しますが、行政書士の試験に英語力は関係ありません。
中学生レベルの英語力しかない人でも、行政書士の勉強をすれば試験に合格できます。
以下では、行政書士の試験科目と大まかな特徴についてまとめてみました。
- 基礎法学(2問):法律全般の基礎的な内容を問う問題で、マニアックな論点も出題される傾向がある
- 憲法(5肢択一が5問、多肢選択が1問):過去に裁判所が示した判断の判例が試験出題の主軸になる
- 民法(5肢択一が9問、記述式が2問):国民と国民の間の利害や権利を調整する法律で、条文を当てはめて具体例を考えさせる問題が多い
- 行政法(5肢択一が19問、多肢選択が2問、記述式が1問):行政書士試験で最も重要な科目で、行政手続法や行政不服審査法、行政事件訴訟法などについて出題される
- 商法・会社法(5肢択一が5問):商取引におけるルールを決めた法律で、出題範囲が広い厄介な科目
- 政治・経済・社会(7問):国内の政治や世界の情勢、時事問題など幅広い一般知識が問われる問題
- 情報通信・個人情報保護(4問):個人情報保護法や最新の通信手段など法律系の問題が出題される
- 文章理解(3問):大学受験レベルの国語の問題で、要旨を問う問題や穴埋めが出題される
これらの科目の中でも、行政書士の試験に合格するには民法と行政法が重要です。行政書士試験では、これら2科目の問題が多く、配点も高く設定されているのでしたね。
行政書士に英語力は必要なの?
行政書士の資格を活かして仕事を行うに当たり、「英語力は必要?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか?
結論から言うと、行政書士の業務で英語力は必須ではないですね。
役所に提出する書類は、当然のように全て日本語で記載されています。
行政書士に依頼するクライアントのほとんどは日本人ですので、英語が話せなくても十分に対応できるわけです。
しかし、英語を中心に行政書士が語学を習得するのは決して無駄とは言えません。
グローバル化が進んでいる現代では、行政書士としての仕事を進めていく過程で英語が役立つことがあります。
英語力の高い行政書士が行うべき業務内容
このページでは、英語力の高い行政書士が行うべき業務をいくつか挙げてみました。
帰国子女で英語がペラペラな行政書士は、普段の仕事で少なからず活かすことができます。
どのような行政書士の業務が英語と関わっているのか見ていきましょう。
入管業務
英語力の高い行政書士は、入管業務でその力を発揮できます。
入管業務とは、外国人の就労や帰化などのために在留資格の取得やビザの申請をサポートするお仕事です。
他の許認可申請と同じように入管手続きも本人申請が原則ですが、申請取次制度を利用すると本人以外の行政書士が取次を行えるようになります。
これから日本に来る外国人や今日本で働いている人は、行政書士への入管業務の依頼で本業や学業に集中できるわけです。
外国人から直接依頼を受けるケースもありますので、英語力を持つ行政書士であれば徹底したサポートができるのは間違いありません。
以下では、行政書士が行える代表的な入管業務をいくつか挙げてみました。
- 資格外活動許可申請:アルバイトやパートをしたい留学生や家族滞在の方が許可を受けると、在留資格の範囲内で日本で活動できる
- 永住許可申請:日本の永住権を取得したい外国人の許可申請で、認められると活動資格や在留期限などの制限がなくなる
- 在留資格取得申請:日本で子供が産まれて在留することになった外国人が60日以上滞在する場合は、在留資格を取得しないといけない
- 在留資格認定証明書交付申請:海外に住んでいる外国人が、日本においての活動を目的にして入国する際、事前に申請する手続き
- 在留資格変更許可申請:別の在留資格に該当する活動を行う場合に必要な許可申請(留学ビザから就労ビザへの変更など)
- 在留資格更新許可申請:お持ちの在留資格を延長し、期間の満了後も引き続いて日本に残留する際、実施する許可申請
- 就労資格証明書交付申請:日本に在留する外国人に就労する資格があるのか証明する文書
申請取次行政書士にこれらの申請を依頼すれば入国管理局への出頭が免除されますので、仕事や学業に専念したい外国人は行政書士に相談します。
専門的な内容について依頼者と話し合う形になるため、英語力の高い行政書士は意思疎通やコミュニケーションを円滑に進められるのです。
しかし、入管業務を行政書士に依頼してくる外国人の多くは簡単な日本語を話せます。
「日本語でのコミュニケーションが一切できない」というケースは少ないので、英語ができなくても入管業務をこなせると心得ておきましょう。
※行政書士の入管業務に関して詳しくは、下記の記事も参考にしてください。
契約書作成
行政書士の仕事をしていると、会社関連の法務業務の依頼が来ます。
法務業務の中でも契約書の作成は、英語力を活かせる仕事内容の一つです。
なぜ契約書の作成業務で英語力が役立つのか、いくつかの理由を見ていきましょう。
- 大手企業だけではなく地方の中小企業でも海外の法人と取引をしている会社が多い
- 日本語と英語の両方の契約書を作成して欲しいという依頼が来るケースがある
- 外国人労働者を雇用している企業からは英語ができる行政書士のニーズがある
契約書は民事法務に当たりますので、行政書士が得意とする分野の一つです。
しかし、英語で作成する契約書は一筋縄ではいきません。
英語の契約書を作成できる行政書士は海外の法人と取引をしている企業から重宝されますので、英語力が無駄とは言い切れないわけですね。
行政書士の英語の効果的な勉強方法は?
英語力の高い行政書士は、入管業務や契約書作成の依頼で重宝されます。
顧客やクライアントの満足度を更に高めることができますが、「どうやって英語を勉強すれば良いの?」「どうすれば英語力が高くなるの?」と疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。
国家資格の取得と同じように、英語の習得にも皆さんが想像している以上に長い期間がかかります。
そこで、ここでは行政書士におすすめの英語の効果的な勉強方法を紹介していますので、是非一度チャレンジしてみてください。
- 日本語とは違う英語独特の発音のやり方を把握してから実際にリスニングしてみる(音声CD教材を使う)
- 自分のレベルに合わせた英語学習法を取り入れる(初心者は日常会話から始める)
- モチベーションを高めて英語学習を継続できるように目標を設定する
- 1冊の参考書やテキストが完璧になるまで徹底的に学習する
間違った英語の勉強方法に時間を割いていても、あまり大きな効果を望むことはできません。
ただでさえ語学の習得は難しいため、自分のレベルに合う学習法で継続的に学習するのがポイントです。
また、既に行政書士として働いている方は、英語の学習に費やす時間を長くとるのは難しいでしょう。
日々の業務で忙しいのにも関わらず、通学型の英会話教室に通って英語を勉強するのは大変ですよね。
レッスン料金も高くて金銭的な負担が大きいので、英語力の高い行政書士を目指している方にはオンライン英会話をおすすめします。
オンライン英会話とは無料通話ソフトのSkype(スカイプ)を使い、世界中の英語講師とオンライン環境で良質なレッスンを受けられるサービスです。
パソコンやスマホを使って自宅で好きなタイミングで英語の学習を継続できますので、勉強のやり方で悩んでいる方はオンライン英会話を有効活用してみてください。
まとめ
以上のように、行政書士が英語力を高めるべきなのかどうかまとめてみました。
行政書士試験対策としては、一切英語は必要ありません。
一方、資格取得後の実務については、英語を使うシチュエーションが多々あります。
たとえば、外国人が依頼する入管業務や契約書の作成業務を行う場合などが該当します。
しかし、行政書士の仕事で英語が絶対に必要というわけではありませんので、英語を勉強した方が良いのかどうかじっくりと考えてみてください。