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行政書士はやめとけ?本当に稼げないのか徹底検証!

行政書士はやめとけ

なぜ行政書士はやめとけ、と言われるのか?

行政書士は国民にとって身近な街の法律家で、主に行政への許認可申請の書類を作成しています。

行政書士法に基づく国家資格ですので、将来のために取得する方は増えました。

しかし、「行政書士はやめとけ」「行政書士は食えない」との意見があります。

なぜ国家資格なのにも関わらず、行政書士はやめとけと言われるのかいくつかの理由を見ていきましょう。

就職できない

求人サイトを見てみると、行政書士の求人は他の業種や職種と比べて少ないことがわかります。

行政書士の就職先が少ないのは、独立開業型の資格なのが理由ですね。

他の士業よりも従業員を雇いにくいので、資格を持っているからと言って就職が断然有利になるわけではありません。

一方、行政書士の資格活用にこだわらなければ、「法律に詳しい社員として、一般企業に就職する」という選択肢はあります。

一般企業で雇用された場合は「行政書士を名乗ることはできない」ので注意が必要です。

つまり、「行政書士」として就職する選択肢は少ないので、行政書士は就職できないと言われているわけです。

行政書士の就職先
一般企業への就職 法律の知識を活かし、企業の一般職員と同じで総合職や事務職として就職する(行政書士と名乗れない)
事務所への就職 行政書士事務所や社会保険労働事務所に就職する(行政書士として活躍できるが、募集は少ない)

行政書士資格を活かした就職・転職については、下記の記事も参考にしてみてください。

行政書士の転職・求人
行政書士の資格は転職・就職に有利?未経験の求人や就職先はない? こんにちは、トモです。 今回は、「転職に、行政書士の資格は活かせるか?」といったテーマについてお話しします。 ...

 

競合する行政書士が多い

行政書士はやめとけと言われているのは、競合する行政書士が多いのも理由の一つ!

下記のデータを見ればわかる通り、毎年4,000名~5,000名の方が行政書士試験に合格しています。

試験年度 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
平成27年度 56,965名 44,366名 5,820名 13.1%
平成28年度 53,456名 41,053名 4,084名 10.0%
平成29年度 52,214名 40,449名 6,360名 15.7%
平成30年度 50,926名 39,105名 4,968名 12.7%
令和1年度 52,386名 39,821名 4,571名 11.5%
令和2年度 54,847名 41,681名 4,470名 10.7%

司法書士や社会保険労務士と比べると試験の合格率も高く、資格保持者の人数が多ければ多いほど行政書士1人当たりの仕事量は減るでしょう。

稼げていない行政書士が多くいる

行政書士の資格を取得しても、稼げていない人が多いのが現状です。

個人の努力や仕事の取り組み方で変わりますが、なぜ行政書士が稼げないのかいくつかの理由を挙げてみました。

  • 仕事の単価が安いので新規の案件の営業が必要
  • 顧問料など安定した収入を得るのが難しい
  • 行政書士として働くライバルが多い

行政書士の平均年収は500~600万円程度ですので、「かなり稼げるのでは?」とイメージする方は少なくありません。

しかし、1,000万円を超える年収を獲得している行政書士がいる一方で、全く稼げない人も存在すると心得ておくべきですよ。

行政書士の年収の現実について詳しくは、下記の記事をチェックしてみてください。

行政書士の年収や給料
行政書士の年収の現実は?一年目の年収や”雇われ”の金額を徹底調査!こんにちは、トモです。 今回は、行政書士の年収に関する記事です。 行政書士試験の受験生にとって、とても気になる情報ですよね。...

 

多大な営業活動が必要

新人の行政書士は、仕事や案件を獲得するために多大な営業活動が必要になります。

営業の手段は、「対面営業」「チラシやホームページ」「広告の掲載」「ブログ」「Facebook(SNS)」など様々!

行政書士としての業務で生計を立てるには、ありとあらゆる方法を用いて自分で顧客を獲得しないといけません。

営業力がなければ、安定した収入を得るのは難しいのが現状ですね。

営業活動はとても大変ですので、営業力の低い人にとっては「行政書士はやめとけ」と言われる要因になります。

行政書士の営業活動について詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。

行政書士の営業
行政書士の営業方法とは?ネット営業を行う上で押さえておきたいポイント!行政書士の商品は形のないサービス! 売りたい商材が形のないサービスの場合、形のある商品と比べると売るのが難しいのが特徴です。 な...

 

稼げなくても継続的な勉強が必要

行政書士の仕事がきついのは、稼げなくても継続的な勉強が必要なのが理由です。

一生懸命に勉強して行政書士の資格を取得しても、それで終わりではありません。

一人前の行政書士として働くには、法改正を中心に継続的な勉強で常に新しい知識を習得する必要があります。

「開業時に必要な知識の量は試験合格に必要な知識量の数倍」との声も…。

試験に合格して満足する方は多いものの、業務を遂行する上での全ての知識は身についていません。

他の士業から下に見られる

行政書士の資格を取得すると、次の独占業務をこなすことができます。

  • 役所に提出する許認可等の申請書類の作成や提出手続きの代理
  • 遺言書等の権利義務、事実証明や契約書の作成など

しかし、他の士業と比較してみると資格取得者しかできない独占業務は「書類作成」に関するものが多く、以前は「代書屋」と揶揄されることも少なくありませんでした。

そのため、行政書士は他の士業から下に見られることも少なくありません。

こういった現状を把握している人は、「行政書士になるのはやめとけ」と言いますね。

サラリーマンに比べて独立開業は安定しない

行政書士は開業に向いている資格ですが、サラリーマンと比べると収入が安定しません。

下記に当てはまる方は、独立開業しても稼げない恐れあり…。

  • 今の仕事が嫌になり、独立開業へと逃げようとしている
  • 地道にコツコツと仕事をすることができない
  • 何か問題が起こっても自己解決しようとする

収入が安定しなければ、最終的には廃業してしまいます。

行政書士の独立開業について詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

行政書士は食えない?
行政書士の開業・独立で失敗しない方法やリスクを徹底解説【独立開業・完全成功マニュアル】こんにちは、トモです。 今回は、行政書士の独立開業について、説明していきます。 「行政書士」という、難易度の高い士業の資格を...

 

書類作成業務は将来AIに置き換えられる可能性がある

行政書士は書類の作成業務がメインの仕事ですが、将来的にAIに置き換えられる可能性があります。

AIとは人工知能のことで、膨大な数のデータ処理や計算が得意分野です。

とある研究では、「AIによる影響で現在の行政書士の仕事は20年後に90%ほど代替される」とのデータが出ていました。

「AIに置き換えられる」⇒「仕事量が減る」と考えられますので、今から行政書士になるのはやめとけとの声が上がっていますよ。

しかし、だからと言って行政書士の資格を取得するのが無駄というわけではありません。

単純な書類作成業務はAIに奪われたとしても人とのコミュニケーションは機械化しづらいため、顧客からの相談業務の重要性は増します。

行政書士の今後の需要や将来性について詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

行政書士の需要や将来性
行政書士の需要や将来性!今後について他の資格と比較してみた! こんにちは、トモです。 最近、ある方から「行政書士の仕事って、将来無くなるんじゃないの?」と聞かれました。...

 

その他、行政書士になるデメリット

他にも行政書士になるに当たって次の3つのデメリットがあります。

  • 会社の社員になって社内の業務に行政書士として従事できない
  • 行政書士事務所や社会保険労働事務所の給料は安い
  • 独立開業以外の仕事ではあまり役に立たない

これから行政書士を目指す予定の方は、試験勉強を始める前にデメリットを押さえておくべきですね。

行政書士になるメリットは?

「行政書士は稼げないみたいだから資格取得はやめようかな…」と考えている方はいます。

しかし、行政書士の資格はデメリットをメリットに変える力を持っているのは紛れもない事実ですね。

以下では、行政書士の何が良いのか詳しくまとめてみました。

受験資格がなく誰でも挑戦できる

行政書士の試験には受験資格がありませんので、年齢・性別・学歴・国籍に関係なく誰でも挑戦できます。

他の士業は何かしらの受験資格が設定されていますので、誰でも受けられるわけではありません。

士業の受験資格
弁護士 法科大学院(ロースクール)を修了する必要あり
税理士 大学または短大の卒業者、法律学または経済学を62単位以上修得
社会保険労務士 大学や短期大学の卒業で62単位以上の修得

行政書士は合格に必要な勉強時間も800~1,000時間と比較的少ないため、試験合格のハードルは低いですよ。

行政書士の試験科目や試験範囲について詳しくは、下記の記事を読んでみてください。

行政書士の試験科目
行政書士の試験科目・試験内容(試験範囲)まとめこんにちは、トモです。 今回は、行政書士試験に出題される内容(試験内容・試験科目)に関する記事です。 具体的には、 出題形式...

 

行政の申請書類は10,000種類以上もあり、仕事の幅が広い

行政書士が取り扱うことのできる申請書類は10,000種類以上です。

仕事や業務の幅が広いのは行政書士の大きなメリット!

具体例としては、「飲食店を始めたい人の許認可書類の作成」「土地や建物の契約書の作成」「内容証明や公正証書の作成」などです。

自分の興味やライフスタイルに合わせて専門分野を定め、業務を極めて顧客へのサポートができるようになります。

行政書士の独占業務について詳しくは、下記の記事を参考にしてみてください。

行政書士の独占業務
行政書士にしかできない独占業務に違反するとどうなる?!こんにちは、トモです。 今回は、「行政書士の独占業務」に関する記事です。 一説には、行政書士が取り扱うことができる書類は1万...

 

独立開業して一国一城の主になれる

行政書士は独立に向いている資格ですので、開業すれば一国一城の主になれます。

会社員としてこき使われたり毎朝9時に出社したりといった制限がありません。

行政書士の資格を活かして独立開業するメリットは次の3つですね。

  • 税理士など他の士業と比べて実務経験がなくても開業できる
  • 自宅を事務所代わりにすれば初期費用を抑えられる
  • 案件を獲得すれば会社員よりも稼げるチャンスがある

就職や転職ではなく、独立開業するキャリアプランを描いてみてはいかがでしょうか。

頑張れば頑張るだけ稼げる(稼ぎに上限がない)

行政書士として開業すれば、頑張れば頑張るほど稼ぐことができます。

つまり、稼ぎや年収に上限がないのは大きなメリットです。

サラリーマンや会社員の場合、自分がどれだけ努力しても大幅に収入が上がることはありません。

その点、独立開業は自分が社長になりますので、行政書士として年収1,000万円以上も夢ではないですよ。

行政書士の報酬額の相場について詳しくは、下記の記事を参考にしてみてください。

行政書士の報酬額
行政書士の報酬額の決め方は?仕事内容によって報酬額の相場は、どれくらい違う?行政書士の報酬 金額の相場はどのくらい? 行政書士を目指すに当たり、どのくらいの報酬をもらえるのか気になっている方は多いのではないでし...

 

転職に有利

行政書士の資格を持っていると、転職に有利に働きます。

上記「就職」のところで言及したとおり、資格活用にこだわらなければ、「法律に強い転職者」として法務部や総務部などで活躍できるでしょう。

行政書士の資格活用にこだわるならば、転職先は下記の通りです。

行政書士の資格を活かせる転職先
行政書士事務所 事務所に雇われる身分の使用人行政書士として働く
弁護士事務所 契約書や証書の作成、関係法令の調査など本格的な法務に携わる
企業の法務部 民法や商法の知識を活かして企業の法務部で働く

こちらは狭き門となりますが、圧倒的に経験者を求める事務所が多くなっており、資格取得したばかりの新人よりも、経験豊富な転職組のほうが歓迎されることが多いです。

経験や実績があれば、行政に対する知見や民法や行政法などの法律の知識が豊富な証明になりますので、行政書士事務所や弁護士事務所への転職で重宝します。

ただし、転職の面接では行政書士の資格を持っているだけではなく、自分の能力やスキルをどう活かせるのかアピールできるようにしておきましょう。

営業さえ覚えれば、他の士業と連携して仕事を回せる中心的な存在となれる

行政書士は、司法書士や社会保険労務士、弁護士など他の士業と一緒に業務を行うことがあります。

独立開業して営業さえ覚えれば、他の士業と連携して仕事を回せる中心的な存在となれるのはメリットの一つ!

自分が必要とされている存在だとわかれば、仕事に対するやりがいも確実にアップします。

その他、行政書士になるメリット

他にも、行政書士になるに当たって次のメリットがあります。

  • 他の士業よりも勉強時間の目安が短いため、働きながらでも資格を取得できる
  • 民法や行政法など日常生活でも役立つ法律の知識を身に付けられる
  • 他の法律系の資格のダブルライセンスで業務の幅を広げられる

行政書士が難関の国家資格なのは事実ですので、取得すれば仕事や日常生活でしっかりと活かせるでしょう。

まとめ:行政書士には十分に将来性がある!

行政書士の資格を取得することにより、企業の法務部門に就職したり法律事務所に転職したりと仕事で役立てることができます。

将来的には独立開業の選択肢もありますので、十分に将来性のある資格ですよ。

「行政書士はやめとけ」「行政書士は稼げない」との意見は、資格を持っていない人の戯言と考えられます。

「営業能力が高い」「若いうちから収入を増やしたい」という方は、行政書士を目指してみてください。

よろしければ、以下のコラムも参考にしてください。

この記事の監修者
氏名 西俊明
保有資格 中小企業診断士 , 宅地建物取引士 , 2級FP技能士
所属 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション