行政書士試験

行政書士の文章理解の勉強法や対策は?設問別の解法のポイントを徹底解説!

TAC行政書士講座

行政書士の文章理解とは?

行政書士の試験では、文章理解の問題が出題されます。

文章理解とは現代文に関する問題で、行政書士試験の一般知識科目の一つですね。

下記の項目でも解説していますが、行政書士試験の文章理解の問題は次の3つのパターンに大きくわけられます。

行政書士試験の文章理解の問題
空欄補充問題 空欄にア~工のいずれかの文が入り、組み合わせとして適当なものはどれか
内容把握問題 本文の文章の趣旨に合っていないものの組み合わせはどれか
並べ替え問題 ア~オを並べ替えて作る場合、順序として適当なものはどれか

他の科目は暗記が多いのに対して、文章理解は本文の読解が全てだと言っても過言ではありません。

「自分は国語が苦手だから飛ばそう…」と考えている方は多いものの、読解力をつければ十分に対策できます。

行政書士試験の一般知識科目については、下記の記事も参考にしてみてください。

行政書士試験 一般知識
行政書士の一般知識の対策は?足切りを避ける勉強法を徹底解説!今回は、行政書士試験の「一般知識」科目のポイントや勉強方法についてお伝えします。 一般知識は、正式な科目名を「行政書士の業務に関連...

 

文章理解の位置づけ

行政書士試験の一般知識は、問題を解くに当たって知っているか否かが重要です。

試験範囲はかなり広く、しっかりと勉強しても得点に結びつきにくいことも…。

しかし、文章理解に関しては知識を問われる問題ではありません。

読解力と解法テクニックを身に付ければ、行政書士試験の文章理解問題は正解できますよ。

一般知識の出題科目の中でも、「文章理解」「IT情報通信」「個人情報保護法」は比較的対策がしやすい特徴あり!

一般知識で足切りに合うと行政書士試験は不合格になりますので、得点源にしやすい文章理解の位置づけは重要です。

文章理解問題の概要

以下では、行政書士試験の文章理解問題の概要をまとめてみました。

  • 出題傾向:例年3題と一般知識の科目で出題されることが確実な問題
  • 出題形式:「空欄補充問題」「内容把握問題」「並べ替え問題」の3種類
  • 1問を解く時間:1問で8分が目安(3問で約25分の時間を使える)

必ず出題される文章理解は、対策が立てやすいと言い換えることができます。

文章理解を得点源にできれば、行政書士試験の合格に近づくこと間違いなしです。

文章理解問題の配点

行政書士試験の一般知識科目の配点は下記の通りです。

一般知識問題の配点
政治・経済・社会 合計7問で28点
情報通信・個人情報保護 合計4問で16点
文章理解 合計3問で12点

一般知識科目は14問56点で、基準点は24点になります。

文章理解は3問で12点ですので、「あまり重要でないのでは?」とイメージしている方は少なくありません。

しかし、近年の難易度は低めで得点しやすい分野ですので、行政書士試験に合格するには文章理解の対策が必須ですね。

文章理解では、確実に2問は正解することが必要

行政書士試験の文章理解では、最低でも3問中2問は正解する必要があります。

文章理解の問題は得意不得意がわかれますが、行政書士の試験科目の中でも得点源にしやすいのは事実です。

一般知識の科目は、14問中6問以上正解しないと足切りになります。

つまり、対策のしやすい文章理解を1問も正解できないと、一般知識の足切りにあって行政書士の試験に不合格になりやすいわけです。

そのため、文章理解は確実に2問、できれば3問全問正解できるようにしておきましょう。

行政書士の文章理解の対策のポイント

読解力がない人にとって、行政書士試験の文章理解は悩みの種になりやすい科目です。

そこで、このページでは行政書士試験の文章理解の対策で押さえておきたいポイントを解説していきます。

文章理解を得点源にできれば試験合格の確率がアップしますので、一度目を通しておいてください。

普段から地道に読解力を鍛えてることが重要

行政書士試験の文章理解で得意不得意がわかれるのは、日々の読書量が原因です。

普段から色々なジャンルの本を読んでいる人は、自然と日本語の文章を理解するスキルが身についています。

そのため、行政書士試験の文章理解の項目は苦になりません。

一方で本を読まない人や読書が苦手な人は文章を読むのが苦手で、文章理解の問題も解けなくなります。

つまり、行政書士試験の文章理解の項目を対策するには、普段から地道に読解力を鍛えるのが重要ですよ。

日本語の文章を理解するに当たり、接続詞(接続語)が欠かせません。

「言葉と言葉」「段落と段落」を繋ぎ合わせる接続詞を理解すると、次にくる文章の予測ができるようになって読解が得意になります。

文章を読むのに重要な接続詞は主に次の4つです。

文章を読むのに重要な接続詞
逆接 「しかし」「だが」など、逆の内容で後ろの文章に繋げる働き
換言 「つまり」「すなわち」など、前の文章の内容を言い換える働き
理由 「なぜなら」「というのは」など、前の内容の理由を説明する働き
例示 「たとえば」「いわば」など、具体例を挙げてわかりやすく説明する働き

逆接や換言といった用法名は覚えなくても大丈夫ですが、接続詞がどのような働きを持っているのかは理解できるようにしておきましょう。

本試験では易しい問題から解く

行政書士試験の文章理解の問題は、問題形式で難易度が変わります。

問題の易しい順番は、「内容把握問題」⇒「並べ替え問題」⇒「空欄補充問題」です。

そこで、行政書士の本試験では易しい内容把握問題から解くのがポイント!

最初に難しい問題を解き始めて時間がかかると、全ての問題に目を通すことができません。

行政書士試験はそれぞれの科目で足切りが設定されていますので、易しい問題から解いて難しい問題を後回しにした方が良いわけですね。

試験の時間は限られていますので、1問にあまり時間をかけ過ぎないようにしてください。

本試験では、できるだけ早い時間帯に解く

上記の項目でも解説した通り、行政書士試験の文章理解は読解力が必要です。

どのタイプの問題を解くにしても、文章の内容を把握するために問題文をしっかりと読まないといけません。

余裕を持った時間が必要ですので、行政書士の本試験ではできる限り早い時間帯に文章理解の科目の問題を解くべきです。

試験の終了間際に解こうとすると、「文章を読む時間がない」⇒「焦って文章を読む」⇒「間違って内容を把握する」⇒「誤った選択肢を選んでしまう」といったミスに繋がる恐れあり…。

文章理解は行政書士の試験科目の中で得点源にしやすいからこそ、余裕がある時間帯を選んで解いて正解率を上げましょう。

行政書士の文章理解 設問別の解法のポイント

このページでは、行政書士試験の文章理解の解法を設問別で見ていきます。

文章理解を得意分野にするには解法のテクニックを押さえておく必要がありますので、文章の読解が苦手な方は要チェックです。

空欄補充問題

行政書士試験の文章理解の空欄補充問題は、文章中の空欄に適切な語句を入れて正しい文章を完成させます。

問題の出し方は、「本文中の空欄ア~エに当てはまる語句の組み合わせで正しいものはどれか」「本文中の空欄に入る言葉として適当なものはどれか」などです。

文章理解の空欄補充問題は難しいのですが、1つ1つの語句を当てはめて文章として意味が通るのか判断するのがポイント!

注目するのは空欄の前と後の文章で、通読して矛盾点がないかどうか確認しましょう。

空欄部分までの文章の流れを把握すれば、適切な答えが見つかる確率が上がりますよ。

文章理解の空欄補充問題に時間がかかりそうな時は、捨て問と割り切って見直しの時に解くのもコツです。

内容把握問題

文章理解の内容把握問題は、5つの選択肢の内から文章の趣旨に合う選択肢を選びます。

内容把握問題を対策するに当たって押さえておきたいポイントは次の3つです。

  • 最初に選択肢に目を通してから問題文の内容を読む
  • 文章の中で繰り返し出てくるキーワードに着目する
  • 文章の最後の引用出典名(タイトル)に目を通す

セオリーでは、問題文の内容を読んでから選択肢に目を通します。

しかし、大切なキーワードを拾うためにも、最初に選択肢から読むべきですね。

選択肢を把握した後に本文の出題される部分を注意深く読めば、正しい回答を導きやすくなります。

並べ替え問題

行政書士試験の文章理解の並べ替え問題は、5つの選択肢を正しい順序に並べ替える問題です。

並べ替え問題の出し方は下記のようになります。

  • 本文の後に続く文章をア~オの記述を並べ替えて作る場合、順序として適切なものはどれか
  • 本文中の空欄に入る文章をア~エの文を並べ替えて作る場合、順序として適当なものはどれか

文章理解の並べ替え問題では、物事を指し示す指示語と前後の分を繋ぐ接続詞が重要です。

選択肢の文章に「これ」「その」「それ」などの指示語があれば、何の内容を指しているのか考えましょう。

「しかし」「なぜなら」の接続詞も、文章の順序を判断する大きな手掛かりになります。

行政書士の文章理解 おすすめのテキスト/参考書

ここでは、行政書士試験の文章理解のおすすめテキストや参考書をいくつか紹介していきます。

  • 出る順行政書士 ウォーク問 過去問題集 2 一般知識編【過去10年分】:法令編と一般知識編の2巻仕立てで構成されている過去問
  • 出る順行政書士 当たる!直前予想模試:最新の法改正に対応している行政書士試験の直前予想模試
  • 出たDATA問(10)文章理解:国家公務員試験の文章理解問題の過去問で、予想される内容の問題を分野別に精選している

試験合格レベルの読解力を身に付けるために、スクールの文章理解対策講座を利用するのも選択肢の一つです。

まとめ

行政書士試験の文章理解がどのような問題なのか、設問別の解法のテクニックについておわかり頂けましたか?

一般知識科目の足切りを回避するには、文章理解を得点源にする必要があります。

文章理解への苦手意識がなくなるまで、コツコツと対策を続けてみてください。

行政書士試験の対策については、以下の記事を参考にしてください。