<令和2年度(2020年度)の試験日程は、以下のページをご覧ください>
※令和3年(2021年度)試験については、令和3年7月に公示される予定です。
今回は、行政書士試験制度の概要について分かりやすくまとめてみました。
具体的には、 受験資格・受験日・受験料、受験手続の流れ、試験案内の配布と請求方法などについて説明しています。
行政書士試験の受けるうえで、必要なことをまとめていますので、参考にして頂ければ光栄です。
なお、行政書士試験に出題される内容(試験内容・試験科目)などについての詳細は、下記の記事にまとめてありますので、参考にしてください。
「行政書士とは、どんな職業か」については、下記を参考にしてください。
行政書士試験とは?
行政書士試験とは、法律系の国家資格の中でも登竜門のような位置づけにあります。
行政書士法で記載されている内容に基づき、行政書士の業務に関して必要な知識や能力を持っているかどうかを見極める試験のことです。
行政書士法第2条第1号の行政書士試験に合格すると、行政書士として業務に携わることができます。
この行政書士試験がどのように実施されているのか簡単に見ていきましょう。
- 行政書士法第4条の規定に基づいている
- 一般財団法人行政書士試験研究センターが総務大臣から指定試験機関として指定を受けている
- 各都道府県知事の委任のもとで実施されている
行政書士試験に合格すると、独立開業して事務所を持つことが可能ですよ。
行政書士とは?
そもそも行政書士とは何なのか、カンタンに見てみましょう。
行政書士は顧客やクライアントから依頼を受けて報酬を得て、官公署に提出する書類を作成したり提出を代理したりする資格です。
具体的な仕事内容や業務内容をいくつか挙げていきます。
- 官公庁への許認可に関する書類提出や契約書の作成
- 交通事故調査報告書の作成
- 権利義務または事実証明に関する書類の作成
行政書士が取り扱うことのできる書類の数は何と10,000種類以上です。
法律系の国家資格の中でも、幅広い業務内容を持っています。
行政書士試験の近年の受験者数や合格者数の推移
ここでは、行政書士試験の近年の受験者数や合格者数の推移を見ていきましょう。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
平成22年度 | 70,586名 | 4,662名 | 6.60% |
平成23年度 | 66,297名 | 5,337名 | 8.05% |
平成24年度 | 59,948名 | 5,508名 | 9.19% |
平成25年度 | 55,436名 | 5,597名 | 10.10% |
平成26年度 | 48,869名 | 4,043名 | 8.27% |
平成27年度 | 44,366名 | 5,820名 | 13.1% |
平成28年度 | 41,053名 | 4,084名 | 9.95% |
平成29年度 | 40,449名 | 6,360名 | 15.7% |
平成30年度 | 39,105名 | 4,968名 | 12.7% |
令和元年度(2019) | 39,821名 | 4,571名 | 11.5% |
令和2年度(2020) | 41,681名 | 4,470名 | 10.7% |
受験者数・合格者数ともに近年は減少傾向にあります。
行政書士試験制度の詳細
行政書士試験の受験資格
行政書士試験の受験資格は、「○○○が条件」とは特に設定されていません。
「年齢」「学歴」「性別」「国籍」に関係なく、誰でも受験できる国家資格です。
しかし、行政書士試験に合格しても、都道府県の行政書士会に入会して登録しないと行政書士を名乗って業務をすることができません。
この点に関しては、行政書士法第2条の2の「欠格事由」で、下記に該当する者は行政書士になる資格を有さないと決められています。
- 未成年者
- 成年被後見人又は被保佐人
- 破産者で復権を得ないもの
- 禁錮以上の刑に処せられた者で3年が経過しない
- 公務員で懲戒免職の処分を受けて3年が経過しない
- 登録の取消しの処分を受けて3年が経過しない
- 業務の禁止の処分を受けて3年が経過しない
- 懲戒処分により弁護士会から除名された
行政書士として働くに当たり、試験に合格すれば良いという単純な話ではないのです。
行政書士試験の受験日や受験料
受験日や時間帯、受験料は以下のように定められています。
試験日:毎年11月の第2日曜日(毎年1回)
時間帯:午後1時~午後4時まで
受験料:7,000円(地震や台風で試験を実施しなかった場合を除き返還しない)
1年間に1回しか実施されていない試験ですので、合格するには前もってしっかりと準備するのが大事です。
行政書士試験の内容
試験の内容や科目は、大きく次の2つにわけることができます。
- 行政書士の業務に関し必要な法令等(出題数46題)
- 行政書士の業務に関連する一般知識等(出題数14題)
法令等は択一式及び記述式で配点は244点、一般知識等は択一式で配点は56点です。
行政書士試験の合格基準は、「法令等科目の得点が満点の50%以上」「一般知識等科目の得点が満点の40%以上」「試験全体の得点が満点の60%以上」で、全てを満たした時に合格できます。
行政書士試験の受験手続きの流れ
以下では、受験手続きの方法や流れについてまとめてみました。
- 試験案内の掲載・配布(7月の2週辺りからホームページに記載)
- 受験申込みの受付(受験願書と顔写真画像を登録)
- 受験票の送付(毎年10月中旬~下旬辺り)
- 試験の実施(毎年11月の第2日曜日)
- 試験結果発表・合否通知書の送付(受験者全員に合否通知書を送付)
- 合格証の送付(毎年2月中旬~下旬辺り)
受験手続きはインターネットではなく郵送も受け付けていますので、詳細は一般財団法人行政書士試験研究センターのWebサイトをご覧になってください。
参考:https://gyosei-shiken.or.jp/doc/abstract/flow.html
受験願書・試験案内の配布と請求方法
受験願書や試験案内の請求方法は、次の2つから選ぶ形になります。
- 窓口で受け取る
- センターに郵便で請求して郵送してもらう
配布されている期間はあらかじめ決まっていますので、事前に確認しておきましょう。
試験当日の注意事項
ここでは、試験当日の注意事項をいくつか挙げていきます。
- 「受験票」「BかHBの黒鉛筆又はシャープペンシル」「プラスチック消しゴム」「上履きと下履きを入れる袋」を持参する
- 腕時計や鉛筆削り、問題用紙に用いる蛍光ペンや膝掛けを持参してもOK
- 午後0時30分から受験上の注意事項の説明が行われる(30分を過ぎると受験できない)
- 試験終了前10分間は退室できない(退室した場合は受験放棄と見なされる)
他にも細かく注意事項が設定されていますので、受験の前に一般財団法人行政書士試験研究センターの公式サイトで確認しておきましょう。
参考:https://gyosei-shiken.or.jp/doc/guide/guide.html
行政書士試験の試験結果分析
試験結果を分析したデータは、一般財団法人行政書士試験研究センターの公式サイトで配布されています。
「平成30年度受験者数」「合格者の属性」「試験結果の推移」といったデータのチェックが可能です。
「一体どのくらいの人が合格しているの?」と気になるる方は、一度目を通しておきましょう。
参考:https://gyosei-shiken.or.jp/doc/exam/result/analytics.html
行政書士試験の難易度!他の資格と比較してみた
行政書士試験は合格率が10%台の資格ですので、難易度は高くなっています。
そこで、行政書士試験の難易度がどのくらいなのか確かめるために、他の資格と比較してみました。
- 司法書士を比較:同じ法律系の資格の中でも、司法書士の方が遥かに難しい
- 社会保険労務士を比較:難易度は同ランクだが、学習内容が異なるのでダブルライセンスは大変
- 税理士を比較:税理士試験の方が試験範囲や試験科目が広く、行政書士試験よりも難しい
- FP2級試験を比較:FP2級試験の合格率は約25%なので、行政書士試験の方が難しい
今よりも更にステップアップを目指すのであれば、行政書士とのダブルライセンスがおすすめです。
なお、行政書士試験の難易度の詳細については、下記記事にまとめてありますので、よかったら参考にしてください。
行政書士試験の勉強時間!他の資格と比較してみた
個人の学習方法によって変わりますが、行政書士試験に合格するには500~800時間程度の勉強時間が必要です。
他の資格よりも大変なのか楽なのか、勉強時間で比較していきましょう。
- 弁護士(予備試験):6,000時間
- 公認会計士:3,000時間
- 司法書士:3,000時間
- 税理士:2,500時間
- 不動産鑑定士:2,000時間
- 中小企業診断士:1,000~1,200時間
- 社会保険労務士:1,000時間
- 行政書士:500~800時間
- 宅地建物取引主任者:400時間
- 日商簿記2級:250時間
同じ法律関係の司法書士や税理士と比べてみると、行政書士試験は短い期間で合格できますよ。
行政書士試験の合格に必要な勉強時間について、下記に詳細をまとめてあります。よろしければ、そちらも参考にしてください。
行政書士の登録について
上記の項目でも簡単に説明しましたが、行政書士として働くには試験に合格するだけではなく、行政書士会への登録が必要です。
登録を申請して受理されて初めて、行政書士としての業務を顧客に提供できます。
行政書士会への登録でどのくらいの費用が発生するのか見ていきましょう。
- 登録手数料:25,000円
- 入会金:200,000円
- 会費3ヵ月分の前払い:18,000円
- 政治連盟会費の3ヵ月分前払い:3,000円
- 登録免許税:30,000円分の収入印紙
行政書士として働き始めるまでに、それなりに高額な費用を負担しないといけないのが厄介なところです。
なお、行政書士会への登録については、そのメリット・デメリットを含めた詳細を別の記事で説明しています。よかったら参考にしてください。
まとめ
以上のように、行政書士試験の内容や受験者数、受験手続きの流れや注意事項などの概要をまとめました。
合格率は決して高くない国家資格ですが、他の法律系の資格と比較して短い勉強時間で試験に合格できます。
通学型のスクールや通信講座を利用し、試験勉強をスタートしてみてください。
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行政書士試験の対策については、以下の記事を参考にしてください。
<行政書士試験 総合>
<勉強法(総合)>
- 独学勉強法【おすすめ】
- 独学のメリットとデメリット
- 過去問の使い方
- 記述式の対策法
- 模試の活用方法
- 行政書士の勉強時間の目安・勉強の順番 【人気!】
<勉強法(科目別)>
<教材・テキスト>
- おすすめテキスト・参考書【人気!】
- おすすめ六法
- おすすめ判例集
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- おすすめ漫画テキスト(初学者向け)【おすすめ】
<合格体験記>